永遠に…の傷跡 4
ヤマトは2時間を待たずしてドッグに入港して来た。
ここは入り江を盾に作られた秘密ドッグ。一般の戦艦は入ってこない。
大きな…懐かしいシルエットがまぶしい入り江から入ってくるのが見える。着水した時にの波なのか少し高い波がドックの中まで押し寄せていた
(ヤマトが戻ってきた…でも私は古代君の元へ戻っていいのだろうか…ヤマトの
内部でもあの噂は流れているはず…古代君が私の事信じてくれるだろうか…
でも…一度はあんな決意をした私…私自身…自分を許せないでいるのに…
私はどんな顔をして古代君と顔を合わせればいいんだろう…)
その時ヤマトのアンカーがゆっくりと下ろされた。
続々と降りてくる乗組員たち…
ユキはやや視線を下げて敬礼を続けた。横で長官は
「お疲れさまだった、ありがとう。」
と声をかけている。
「ユキ!」
ことさら大きな声がユキの耳に入った。負傷者を先に下ろしこれから病院へ向かう佐渡とミーくんだった。
「先生…」
「おぉ、よかった、よかった。長官もご無事で何よりです。ユキ、ゆっくり話をしたいん
じゃが…(随分顔色が悪いな…一度診てやりたいが…)わしゃこれから負傷者の
カルテをもって中央病院に直行になっちょる。悪いが失礼する!ユキ、近いうちに
顔みせに来なさい。」
そう言って敬礼しながら走って行ってしまった。
ユキはさすが先生だ、と思った。顔を見ただけで私の状態がわかったんだろうと思った。