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永遠に…の傷跡 5

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ユキの戦いⅣ


点滴の効果が出てきたのか幾分かユキの顔色も良くなってきた。
さすっていた左手の体温も徐々に戻り始めた。

しかし一向に目が開く様子がない


体力温存させるために眠らせる、とは言っていたがいつまで眠り続けるんだろうか…


時折ユキの閉じてる眼から一筋の涙が流れるときがある


  (何の夢を見てるんだろう…悲しい夢を見てるんだろうか…)


進はただ手を握り続けることしかできなかった。




  「古代、古代。」

進はいつの間にかユキのベッドに椅子に座ったままの体制で寝てしまったようだった。

  「ユキは俺が見てるから…そこのソファーでちょっと眠れ。お前まで倒れたらそれこそ
   一大事だ。いま少し俺は仮眠取ったからしばらく大丈夫だ。佐渡先生から夜食も
   届いてるし…自分の分は食べたからあと全部食べて寝ろ。」

真田はそう言うとソファーを指さして椅子から進を立たせた。

  「真田さん…」
  「断っておいた方がいいか?ユキの手、握ってもいいか。」

進は笑って答えた

  「真田さんだけは特別に許可します。」
  「それ島が聞いたら怒るだろうな。」

真田はそう言うと進が座っていた椅子に座りユキの手を取った

作品名:永遠に…の傷跡 5 作家名:kei