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永遠に…の傷跡 5

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進は真田にユキを任せて軽く食事を取り仮眠を取ることにした。

サンドイッチにおにぎり…小さなパックにサラダも入っている。簡単に食べられる物ばかりだった。別にもう一つ袋があったので覗いて見ると佐渡らしく日本酒が入っていた。

  「さすがは佐渡先生ですね。こんなときでもお酒が入ってますよ。」

進が真田に向かって言うと

  「先生も飲まないと眠れないのかもしれんぞ。実は俺もそれを半分飲んで少し寝た。
   冷蔵庫に半分残ってるのがあるから一本飲めそうもなければそっち飲め。佐渡流
   睡眠誘発剤だろう。」

真田がユキを見ながら言った。進はその残りを頂こうと思い冷蔵庫の日本酒を取り出した。

  「おにぎり食べてちょっと寝ます。」

カサカサとおにぎりのラッピングをはずし二つ食べたところでまだ着替えていないことに気付き自分の荷物から予備の艦内服を取り出すとそれを着て日本酒を一気に飲んで横になった

  「ユキをお願いします。」
  「あぁ、任せてさっさと寝ろ。」

4日の予定を3日で帰還したのでかなり肉体がつかれているのがわかった。そこに少量だが日本酒が入ったことで一気に睡魔がおそってきた。

しばらくすると真田のところにも進の寝息が聞こえてきた


  「ユキ…辛かっただろう…助けてあげられなくて…古代を早く連れて帰れなくて…
   本当に悪い事をした。頼む…ユキがいないと古代はまたダメになってしまう。
   一緒にいられない、なんて言わないでくれ…俺に出来ることはなんでもするから」

真田の目にも涙が浮かんでいる

  「いいか…絶対元気になるんだぞ。あんな噂になんか負けるな。出所つかんで
   俺たちが再起不能にしてやるから。……それからお前たちはもっと自分たちの事
   だけ考えてもいいんじゃないか?一度でいいから古代に“行かないで”って
   わがまま言ったっていいじゃないか。少し古代を困らせろ。それぐらいしたって
   絶対バチは当たらん。バチが当たるようなら俺が何とかしてやる!……なぁ
   ユキ。古代は本当に幸せだぞ。ユキが思ってる以上に幸せだよ。」

いつの間にか真田も涙を流していた。

  「イスカンダルに行くって決めた時…ユキはもう乗組員に決まっていて艦載機の
   訓練に来てたな。あの時びっくりしたんだ。こんなに細いのにあのGに耐えてるのを
   見て…それと同時にレーダーの訓練もしてたな。旧型過ぎて覚えるの大変だろうと
   思ったが…オートになれた人間じゃとてもじゃないけど操れない代物だった。
   それをユキは…かなり裏で努力したんだろうな…あっという間にマスターして
   しまった。」
作品名:永遠に…の傷跡 5 作家名:kei