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永遠に…の傷跡 6

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みんな一瞬目を合わせた。さらに南部は話を続けた

  「わかりますか?間違いなく織田が仕組んだスキャンダルなんです。確かに男性と
   女性の部屋を隣にするのは出会いを増やすために…悪い事とは言いません。
   でもそこの部屋はヤマトの医務室でヤマトの中で一番安全な場所、それも居住区とは
   少し離れた場所…なんです。
   ユキさんは看護師としてリストに上がってるので医務室の近くは納得できます。
   医務室は方舟計画でも場所は変わらないんです。
   ユキさんの部屋は今の佐渡先生の部屋があてがわれています。で壁一つ隔てて…
   今の第二診察室…ヤマトは今診察室一つしか使っていないので使われていない
   部屋ですが…そこが織田の息子の部屋なんですよ。
   医師でもなんでもない人間がそこに部屋をあてがわれるのって変だと思いませんか?
   例えば息子が同じ看護師だったらまだ納得できますがただの一般市民です。
   他にたくさん選抜された一般市民と全く違う部屋…織田は…ユキさんを息子と結婚
   させたかったんですよ。で、さらに調べたんですが織田の息子…俺らと同い年で
   ユキさんと小学校同じなんですよ。
   ここからは俺の想像ですが織田の息子が好きになったユキさんは中学へあがるとき
   飛び級の試験を受けて軍属の大学へ進学し医師になるために勉強し始めた。
   と、同時に軍の訓練も自主的に受けていて時折宇宙戦士訓練学校の臨時生徒
   として授業に参加している。
   で、織田は何かの理由で軍属の大学へ行き医師になるための勉強をしながら軍で
   訓練してる女学生の事を知る。まぁ軍内部の事ならちょっと変わったことがあれば
   報告あるだろうからすぐわかるよな。
   で、こんな学生がいると家で豪語したのかもしれないな。そしたら息子が好きな人
   だった、なんて話したら…」

みんな沈黙した

  「南部の創造力もすごいが…でも織田さんならやりかねないな。方舟計画がおしゃかに
   なって…帰って来たらユキはすでに古代と恋人同士になってたんだからな。織田さんに
   してみたら古代に出し抜かれた、ってなるのか。」(真田)
  「それにしてもユキさんってすごいんですね。大学の医学部…でもなんで看護師に
   変わってしまったんだろう?」(太田)
  「それは医者になるのには時間がかかりすぎる…でも看護師だったら早く現場に出られ
   ると思って途中で変えたんだ。で、看護師の方が訓練学校に通う時間もとれた、って
   話してた。小さな体で…よく…頑張っていたよ。」(真田)
  「真田さん…ユキは…」(進)
  「もし南部の話を本当だとするとユキのスキャンダルで古代は<敵将に婚約者を寝取ら
   れた男、地球にユキを置き去りにしたひどやつ>として巷に触れまわるつもりだろう。
   そうするとユキではなく矛先は古代に向かう。そこで傷心のユキを織田なり息子なりが
   なだめて…って計算じゃないか?スキャンダルになれば<長官秘書ではなく大統領
   秘書に!>って話も崩れるだろうし」(真田)
作品名:永遠に…の傷跡 6 作家名:kei