永遠に…の傷跡 6
太田がやってきて南部の手伝いをしてると
「俺が買ってきた差し入れは佐渡先生の所へ持っていこうかな。」
と言ったので
「そうだな、佐渡先生喜ぶぞ。」
真田がそう言うと
「せっかく寮の厨房借りて貴重な牛肉買ってきてビーフシチュー煮込んだのに…」
そうつぶやくと
「早く言えよ!温めて…って保温ナベじゃんか。ちょうどフランスパンもさっき…あった!
今フランスパン焼くから…」
二人のやり取りを真田と進はにこやかに見ていた
「古代…ユキが退院したらどうするんだ?」
「そうですね…この二週間でユキがどこまで回復するか…なんですが…」
「長官ももっと長く休んでいいと言ってくれているんだ。一日でもユキと長くいてやれ」
「…はい…」
「お待たせしました。南部家シェフのランチと太田シェフのビーフシチューです」
「南部、さらに乗せるだけなのに随分時間かかったな。」
「まぁいいじゃないですか!冷めちゃう前に頂きましょう。」
「「いただきます」」
ユキのベッドにはもう一本バラが増えていた
「相原は来ましたか?」
南部の問いに
「今日、来るって言ってたか?」(真田)
「一度司令部に行くって言ってまして…佐藤さんと話があるって…」(南部)
「そうか…で、南部、何かわかったのか?」(真田)
「やはり織田さんが変な動きしてるそうですよ。最近は頻繁にウチに電話がかかって
来てる様子ですね。ちょっと探りいれたら長官とウチとなにか裏取引してる様子が
ないか調べてるみたいですね。まぁ長官に限ってそんなことないと思うんですが下手
すると証拠を作りかねないので親父に<織田という人間の名前が出てきたら記録して>
って頼んできたんですよ。織田の部下が動く可能性もあるので織田さんが牛耳ってる
配下の人間をリストアップして渡してきました。自分で調べてびっくりしたんですが
癖のあるやつを吸収してるんですよね。さらに調べてみるとイスカンダル行き反対
チームがほとんどなんですよ。」(南部)
「随分昔のデーターまでハッキングしたんだな」(真田)
「昔のデーターは結構捨て置かれてるのが多くて入りやすかったです。もう一度セキュリ
ティー見直した方がいいですよ、真田さん<にっこり>…じゃなくて…それちゃいましたね
え~っとですね、で、織田さんはノアの方舟計画で自分を艦長にして部下を中心に
乗せるつもりだったみたいですね。織田さんの古い端末の文章が残ってました。
それによると真田さんの名前もありますねぇ~で、ユキさんの名前もあります。もちろ
ん自分の子供も…で、設計図に部屋割までしてあって…びっくりしないでください、
ユキさんの部屋の隣がこの織田の息子の部屋の隣なんですよ。」