永遠に…の傷跡 8
ユキの戦いⅦ
食事の最中南部の携帯が鳴った。南部は相手を確認すると知らない番号だったのでひょっとして…と思いみんなに静かにするよう伝えてから通話ボタンを押した
「はい、南部ですが?」
<あぁヤマトの乗組員の南部さんですか?>
「あの、どなた様でしょうか」
話し方に南部の育ちの良さが出てる
<あぁ申し遅れて…前議長織田だ。>
「(おどろいたように)え?あの織田議長ですかぁ?ど、ど、どうしたんですか?こんな
夜遅く!それに私は今休暇中で…」
<申し訳ないと思ったんだがちょっと携帯を調べさせてもらってね…急ぎではないしあくま
でもプライベートな話だから通信機を使うわけにもいかなくてね…それでこちらに連絡
させてもらったんだが…今…寮かね?>
「いえ、今寮ではありません」
織田は直接アクセスして来た。寮にいないと言ったら少し警戒するような感じで
<では今一人ではないのかね?>
「いえ、一人ですよ。寮にいても何もないので父の経営してるホテルに滞在してます。
ここなら食事もおいしいし…で、なにか私に用があるんでしょうか?」
南部はうまく相手を安心させた
<…もしよければそちらに出向いてもいいかね?>
「えぇ、いいですが…何か問題でも起きましたか?」
<問題は…まだ起きていませんが…ちょっと電話じゃ話しにくいので…部屋番号お願い
できますか?>
「…織田さん、一人で来られますか?」
<もちろんですよ。プライベートですから>
「わかりました。フロントに織田さんが来たら私の部屋番号教えるように伝えておきます。
時間は?」
<1時間後で>
「わかりました。お待ちしております」
南部は電話を切った
「織田直々に動き始めましたよ。さて…相原…盗聴器あるか?」
「ちょろいですよ、すぐ作ります。二つぐらいあればいいですかね。でもホテルの部屋は?」
「親父にお願いして部屋とってあるんだ。…ちょっと電話借ります…(フロントへかけて)…
すみません、南部ですが…えぇありがとうございます。とてもいいです。で、ちょっとお願い
があるのですが…部屋ひとつ追加できますか?ツインで。で、出来るだけ上の階で。
ここと一緒はまずいので二つしたくらいにしてもらいましょうか…そこでいいです。で、
隣同士にしてもらって…1時間ほどしたら織田と言う人が来ます。そしたら801の方の番号
教えてやって下さい。お願いします。」
そう言うとフロントの話はすんだ
「いいのか?親父さんに言わなくて?」(島)
「いいんだ。どうせ余ってるし…だれもお金出してまで泊まる余裕ないでしょ。で、みんな
帰るわけ?もう遅いからお泊まりしましょう。さて…ちょっとフロントに鍵貰ってきます。
相原、出来た?」(南部)
「もうじき…先鍵貰ってきちゃってよ」(相原)
「OK」
南部は足取り軽くフロントへ向かった