永遠に…の傷跡 8
ユキは先ほどの苦しそうな表情はなく幾分か熱も下がったような感じだった
(女性の体で…キツかっただろうな…空間騎兵隊の泉か…意外なところにナイトが
いたもんだ…)
真田はユキの左手を見た。白くてすらっとしたきれいな手だった。とてもじゃないがそんな肉体労働をしてた様には見えないかった
(そうだよな、あれから一か月近く経つんだもんな…地上の復興のために空間騎兵隊は
先頭立って働いてるだろう…)
真田は少し睡魔に襲われつつあるのを感じてユキの左手を布団の中にしまうとミニキッチン行き先に買っておいたエスプレッソを飲み自分の端末を持ってきて相原へ空間騎兵隊の泉という人物を探すようメールを入れた。
それから2時間ほどすると進が起きて来た
「真田さん、すみません。結構熟睡しちゃったみたいで…」
「疲れてるんだろう。俺はまだ大丈夫だが…代わるか?」
「はい、ありがとうございました。何か変わったことありますか?」
「古代、残念だがユキが一度起きてな、で、起そうか?って聞いたら起こさないでいいって
言ったからお前を起こさなかった。」
「起きたんですか?」
「あぁ、熱もちょっと下がったみたいだし…ちょっと息が荒かったがもう大丈夫だろう。
そこのタオル濡れてるから…時々額の汗とか拭いてやると気持ちよさそうだ。」
「すみません…真田さんにそんなことまでさせて…」
「ばか、何言ってんだよ、言っただろう?ユキは妹みたいなもんだって。考えてみろ?
こんなキレイな妹どこ探したっていないぞ。こんな時に何だがユキのお父さんの気持ち
ちょっとわかる気がする。」
真田が半分本気、という感じでいうので進はおかしくなって
「小姑とはよく聞きますが…」
「ははは、俺はなんだろうな。まぁいい…少し休ませてもらう…看護師来るまで3時間か。
それまで寝るかな。じゃぁお休み。」
真田はそう言うと奥の寝室へ入って行った