永遠に…の傷後 11
ユキの診察が終わり山下と吉田が部屋を出て行った。進はそれを追いかけてお礼を言うと
「今日からトイレに行けるようになりました。最初はふらつくと思いますので…男性ばかりで
付添も大変と思いますがドア付近までは付いて行ってあげてください。酸素マスクも外し
たので辛そうになったらベッドサイドに簡易ボンベ置いておきましたからそれを使ってくだ
さい。食事は…」
「もうすぐ主湯が運ばれてきます」
「無理せず…一口、二口だけでもゆっくり食べさせてあげてください。」
山下はにっこり笑ってそう言うと何かあったら連絡くださいと言ってエレベーターを降りて行った
進はすぐユキのところへ向かうと
「酸素とれてよかったな。でも苦しかったらすぐ言うんだぞ。」
ユキはそっとうなずいた
「ユキ…お母さんに来てもらうか?」
進は尿管が取れてトイレに行く時に自分じゃ恥ずかしいだろうと思いそう提案したが
「…ママに心配かけたくないから…」
そう言って口をつぐんでしまった
「そうか…わかったよ。主湯が来たら食べようね。」
ユキは黙ってうなずいた
作品名:永遠に…の傷後 11 作家名:kei