永遠に…の傷後 11
そこへ相原宛にメールが届いた。相手は佐渡だった
<ユキの様子はどうだ?一日にそっちに何度も言ってると怪しまれるから今日はもう行かん
事にした。ユキによろしく伝えてくれ>
簡潔だったが電話にしようかメールにしようか迷いに迷ってメールにしたんだろうと思うと相原はちょっとおかしくなってしまった。佐渡は滅多にメールをしない。面倒、というのもあるのかもしれないがすぐ返事の聞ける電話の方が好きだった。
それを相手のことを遠慮してメールにするという佐渡にしては珍しい行動をとったのだった。
相原は今日佐渡先生は来ない旨を伝えた。
「先生ユキさんの事心配だろうなぁ」(南部)
「他の患者殺さないといいがな…治療中に心ここにあらず…で。」(真田)
そう言うと南部はフロントに連絡して802へ適当に夕食の準備を6人分お願いしてスイートには主湯を少し作って運ぶよう手配した。山崎は夕食は辞退しようとしたがせっかく頼んだので、と南部に言われ御馳走になっていくことにした。
しばらくすると院長の山下と吉田が入ってきた
「…どうですか?気分は?」
吉田が血圧と脈を測る
「先生、脈が少し早いです…血圧は80の55です。」
「なかなか血圧が上がらないですね…もともと低血圧ですか?」
「100前後…なので特別低血圧、というわけでは…」
「そうですか…少しずつ慣らしていかないといけないので…ちょっと酸素はずしてみますか?」
山下がそう言うと吉田が酸素マスクを外した
「先生、これはどうしますか?」
進がいる手前ベッドの横に下げてある袋が見えないように指さすと進は自分がいると都合の悪い事があると思い吉田に
「すみません、今日、着替えお願いしていいですか?」
と聞き吉田がうなずくと
「お願いします。」
と言ってみんながいる方へ行った
「ユキさん、尿管抜きますね。トイレに行く時は早めに…多分最初はフラフラされると思いますが…
足元には気をつけて下さい。」(吉田)
「!(抜けた変な感じがして)はい…」(ユキ)
「…では着替えましょうか。」(吉田)
山下はエコーの準備を始めていた
作品名:永遠に…の傷後 11 作家名:kei