永遠に…の傷後 11
「入ります…」
南部が入ってきてその後ろから山崎が入ってきた
「山崎さん…すみません、家族水入らずのところ…」
進がそう言うと
「艦長代理、勘違いされては困りますな、私は生活班長のために来てるんですよ。」
そういっていつものようにダンディに笑った。進はそう言われ“みんなそう言います”といいながら眠ってるユキの元へ山崎を連れて行った
「…随分顔色が良くなりましたね。食事はまだ?ですか?(進がうなずく)点滴に栄養剤が
入ってるんですよね。たくさん並んでた機材も随分なくなって…よくなってきてる証拠ですね
そうそう(紙袋を取り出し)これユキさんが食事できるようになったら食べさせてあげてください。
家内が作ったヤサイスープです。一食分ずつ冷凍してあるそうですので…」
山崎から進が受け取ると
「家内も心配していまして…聞いたら一度買い物中のお二人を拝見したことがあるそうで…
その時の生活班長のほっそりした姿が忘れられない、と言ってね…」
「ありがとうございます…」
山崎の妻はそれ以上に痩せてしまったユキの体を想像して少しでも食べられればと少しでも力になれたら…と思ってくれたのを進も感じた
二人はユキのベッドから離れてみんなのいるところへ向かった
「遅くなってすみません…真田さん、家内がこれを…(別のバッグから水筒を出して)コーヒー
ですが…なんでも真田さんの好みで淹れたそうで…後でみんなも飲んでくれ。」
山崎はテイクアウトのコーヒーの容器がたくさんあるのに気づきそれを太田に預けた
「ありがとうございます。では早速本題に移りましょう。…山崎さんにしてほしいのはこの名刺の
人間と接触してほしいんです。…実は空間騎兵隊の泉という人間から…」
真田が今までに至る経緯を話し始めた。進もそれとなしに聞いて織田のやりかたに底知れぬ怒りを感じていた。島が戦闘モードに突入してる進にすぐ気付き
「…大丈夫か?」
と声をかけて来た。進はそれに気付かない様子だったので島がもう一度
「…古代…少しお前も休め…」
そう言ったのでやっと自分が戦闘モードになってることに気付いたが
「…すまん…俺も経過を知りたい…大丈夫だ…」
大きなため息を一つついて山崎と一緒に真田の話を聞いた
作品名:永遠に…の傷後 11 作家名:kei