永遠に…の傷跡 13
結局みんなユキの部屋でゴロゴロ雑魚寝となった。しかしみんなまだ寝ていたいところだったが心配してた佐渡が出勤前の6時半にやってきて奥の和室で寝てる南部、太田、相原以外の人はしっかり起こされてしまった。
「佐渡先生…」
「ユキ…心配したんじゃぞぉ~絶対倒れると思って…あの時引っ張ってでも一緒に中央病院へ
連れていけばよかったって何度思ったことか…」
そう言って佐渡は泣いた
「先生、もう大丈夫ですから…」
ユキは慰めるように言ったが
「あたりまえじゃい!誰が手術したと思ってるんじゃ!ワシがしたんじゃぞ?完璧じゃ!」
そう言って泣き笑いしてたのでそこにいた一同は笑ってしまった。佐渡の話によるとヤマトの乗組員もユキの事心配してるとの事だったのでもう大丈夫、と伝えてほしいといい佐渡は安心して中央病院へ出勤して行った
南部がフロントへ電話して802に朝食を運ぶよう手配しスイートには昨日と同じように主湯を運ぶよう頼んだ。
802へは起きたものから順番に朝食を食べに向かった進はみんなの計らいで最初に島と行った。
朝はバイキング形式だったので二人ともほっとした
「島…全然次郎君の相手できなかったんじゃないか?」(進)
「あぁ…でも喜ぶのは最初だけだよ。俺がいたって友達から声がかかればそっち行っちゃうし…
俺はゆっくり休みたいだろ?次郎だって俺とゴロゴロしてるよりみんなとサッカーやった方が
楽しいのよくわかってるみたいだし…おふくろが“お兄ちゃん帰ってきてるんだから家にいなさい”
が最近は苦痛らしいんだよな。まぁ子供としてそれは当然だと思うしおふくろもそろそろ次郎の
気持に気付いてやらないと…って思うんだけどな…」(島)
「でも兄貴としてはちょっと寂しい…のか?」(進)
「…わからないなぁ~でも親ってそういう気持なのかもしれないな。そこで離れられないと…
子離れできない親、ってくくりに入っちゃうんだろうな、って感じ。」(島)
「島のところは年が離れてるから余計かわいいんだろうな。」(進)
「何言ってるんだよ、お前のところも同じだっただろ?」(島)
「まぁな。でも俺に比べれば次郎くんは大人なのかもな。俺は兄貴帰ってくるとベッタリだった
から…田舎で友達も少なかったからかな…同級生はいたけど女の子ばっかりだったし…
兄貴が帰ってくると楽しかったもんな…」(進)
全てが過去形になってしまったさみしさを打ち消すように
「…というわけでもうしばらく俺もここにいていいか?」
島が明るく言うと
「俺じゃなくて南部に聞いてくれ…」
そう言う進だった
作品名:永遠に…の傷跡 13 作家名:kei