永遠に…の傷跡 14
「私はとてもじゃないけど受け入れる事なんてできなかった…少尉も無理じいはしないと言わん
ばかりにその日はそのまま部屋を出て行ったわ…それからしばらくは…ずっと考えてたの
私に出来ることってなんだろう、って…。よく考えたら私っていつも守ってもらってばかりで
誰かのために何かしたことなんてなかったような気がするの。その時もずっと泣いてばかりで
みんなが戦ってるのに何もできなくて…今までは少尉が帰って来たらお酒の用意とか食事の
用意とかしてたんだけどしばらく部屋にこもって考えてたの…でもいつも頭に浮かぶのは
古代くんやヤマトのみんなのことばっかり…でも…その時私はヤマトが敵の母星へ向かってる
なんて知らなかったから…みんな死んでしまったって思ってたから…じゃぁ私に出来るこ
とって何だろうって思った時…少尉の想いを受け入れて…重核子爆弾の機密さえ手に入れば
もう私の居どころはない、と思って…」
ユキはここまで一気に話したがどう言葉でつないでいけばいいか分からなくて止まってしまったが
「…みんなの所へ逝こうって思ったの…」
そばにいて進の呼吸が止まるのがわかった
「でも少尉はそんな私の気持ちわかって古代くんを想ったままの私じゃ受け入れられない、と
そう言って“重核子爆弾を攻撃して私を倒すことができたら…機密を教える”とそう言って
部屋を出て行ったの。私は何も考えずその館を出てパルチザンに入り一緒に戦ったわ。
一度…仲間に襲われそうになったけど泉さんが助けてくれて…そして…重核子爆弾のなかに
入って私は少尉と対決したの…でも…私は撃てなかった…少尉の事が好きだったわけじゃ
ないの…少尉に殺意が感じられなかったの…でも少尉が構えた時さすがに背筋に冷たい汗が
流れたわ…殺られる、と思った時足もとに倒れてたパルチザンの一人が少尉を撃ったの
少尉の体…首から上が人間でその下はロボットだった…彼らの星は機械文明が進みすぎて
体が退化してしまったの…最後に少尉はこう言ったわ“健全な体がほしかった”って…
彼らは間違った方法で地球に来てしまった…最初からそれがわかっていたら…って思う
と…時間はかかると思うけど何か解決する方法があったかもしれない…そう思うと
自分の無力さを実感したわ…。
そう…あのうわさも…半分事実…私は少尉を一瞬でも受け入れようと…決意したんだもの…。
本当ならこうして古代くんのそばにいる資格なんてないの…古代くんはそれでもいいって、
許してくれたけど私の心のどこかでそれを許せない自分がいて…怖いの…自分が壊れて
しまいそうで…
それとか目を覚ましたらすべてが夢でまだ少尉の館だったら…とか…」
ユキは自分を抱え込むように抱きしめた
作品名:永遠に…の傷跡 14 作家名:kei