永遠に…の傷跡 15
ユキの戦いⅩⅣ
「スターシアさんがね…夢かもしれないんだけど…俺にこう言ったんだ“ユキが地球に残ったのは
運命だった”って。その時は漠然とそうだったんだ、って思ったけど今なら解る…ような気が
する。もし俺とユキが地球に残ったらその場で射殺されていただろう。ユキだったから…
その少尉がユキに心惹かれて自分たちの過ちに気付いて自らを犠牲にたんだろう…敵さんに
したらとんでもない計算違いなことだったと思うが…彼はそれが許せなかったんだろう…
彼はきっと最後人として逝きたかったのかも知れないな…」
進はそう言って自分を責めるユキをそっと抱きしめた
「…俺だって…」
そう言いかけた進は言葉を止めた
(中央病院のところでひとめぼれしちゃったから人の事言えないもんな)
そう思うとバツが悪くて何も言えなかった
「…古代くん?」
進の腕の中で小首をかしげて進の顔を見る。ユキのよくする仕草でこの視線でお願いごとをされたら絶対拒否できないだろうと…俺だけじゃない、ユキを知らない男ですらメロメロになってしまうしぐさだと進は知っている
「いいんだ…ユキがこうしてここにいてくれれば…もう俺にはユキしかいないんだ…頼むから
俺を一人にしないで…逝くなんて言わないでくれ。」
そう言うと進は少し強く抱きしめた
作品名:永遠に…の傷跡 15 作家名:kei