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永遠に…の傷跡 15

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ユキは進に抱きしめられてるときふと夢の事を思い出した

  (…誰かが…言ってた…私が地球に残るのが運命だったって…とても優しい青い光で…
   あれは…スターシアさんだったの?その前にとても明るい光が見えたような気がする…
   小さな…幼い女の子…?サーシァちゃん?)

進の夢と合致する部分を少し思い出したユキは

  (…スターシアさん、サーシァちゃん…ありがとう…)

ユキに温かい涙が流れて来た。

しばらくして進がそっと手をほどいて椅子に座った

  「なぁユキ…はっきり言っておくがユキは“守られてばかり”じゃないぞ?言葉は悪いがユキは
   キレイな人形の置き物じゃない。最初の航海で…ユキは乗組員全員の命を救ったんだ。
   自分の命を顧みずユキがコスモクリーナーを操作して稼働したから今の地球があるって
   言っても過言じゃないと俺は思う。
   白色彗星の時だって…ユキは詳しく話してくれないが俺をデスラーから守ってくれた。
   あのデスラーすらユキには完敗で白色彗星の弱点を教えて去って行ったんじゃないか。
   イスカンダルが暴走した時はすすんでサーシァの子守りを引き受けてくれた。後から兄さんが
   本当に助かったって感謝してた。

   全ての航海でユキが他の乗組員の体調や食材の管理…きちんとしてくれたこと俺は
   ちゃんと知ってる。まぁ今回の航海で相原が泣きそうなぐらい大変だったみたいだけど…
   ユキはちゃんとしたヤマトの戦士だよ。多分…周りから見たら俺がユキに守られてると
   思ってるはずだよ。俺はユキを守りたいのにユキの方が一歩先を歩いてるんだ。」

進はユキの左手を握って

  「…覚えてるかい?都市帝国が崩壊した後…巨大戦艦に特攻かけようとしたらユキが残って
   て…俺は…一緒にいる、って意味がやっとわかったんだ。離れてたって…どんなに離れて
   いても俺の心にはユキしかいなかった…だから…サーシァにさみしい思いをさせてしまった
   けど…やっぱりユキの代わりなんて誰もなれないし…ずっと戦ってても心の中でユキは絶対
   生きている!って思ってた。
   だから…怖かったら俺がちゃんと“大丈夫だよ”って言うから…無理して笑わなくっていい
   泣きたい時はちゃんと泣いて…じゃないとまた胃に穴があいちゃうぞ?」

ユキはうなずきながら聞いていた
作品名:永遠に…の傷跡 15 作家名:kei