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Wizard//Magica Infinity −8−

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「『インフィニティ』プリィィィィズッ!!『ヒースィフゥドー!ボーザバビュードゴーンッ!!』」
「………。」

「…きれい…」


ゆっくりと目を開け、湖に映った自分の姿を見つめる。
全身、淡い水色のような白銀の姿。全身を覆う宝石はまるでダイヤモンドのようだ。
左手の中指には身に覚えのない指輪が装着されている。
…そうか、これがまどかちゃんの生み出した力、そして、絶望を受け入れた俺自身の本来の力だ。

その時、辺り一面がガラスの割る音をたてて崩れ始めた。
「なんだ!?」
「最終決戦よ、ハルト」
「なんだって?まさか…」
「えぇ、ワルプルギスとの、ね…」
次第に美しい光景は何もない荒野へと変わり、異様な風の音だけが聞こえてくる。

すると、目の前にまた、見知った人物が横たわっていた。
あれは…まさか!?


「ほむらちゃん!!?」
「ほむらッ!!」


そうか…きっと彼女も過去に囚われ、未来を受け入れられず、一から組み直される因果の流れに飲まれないでここに存在するのだろう。
俺達は気を失っているほむらちゃんの元へと駆け寄り、身体を揺さぶった。

「ほむらちゃん!」
「っ…く、うぅ…」
「起きるんだ、ほむらちゃん!!目を覚ませ!!」
「……っ…う…ここ…は?っ!操真ハルトっ…それに、美樹さやか!?」

よかった。怪我は無いみたいだし、本当に気を失っていたみたいだ。

「…一体ここは…たしか、まどか が魔法少女になって…それで…」
「君も、過去を受け入れられていないみたいだね」
「一体何のことかしら…っ!この感じ!!」
「っ!!」



『アハハハハッ!アハハハハハハッ!!』



この高笑い声…聞き覚えがある。
そしてこの重い魔力の感じ…以前も感じたことがある。

俺は顔をあげた。
そこに…巨大な魔女が俺達を凝視しあざ笑っていた。


「ワルプルギスの…夜」


俺が生み出した史上最強の魔女。
俺の最後の使命、…奴を倒すこと。


「ほむら、立って!」
「待ちなさい、美樹さやか!一体何が起こっているの?訳がわからないわ!」
「訳がわからなくても、あいつと戦うの!これが、ワルプルギスの夜との最終決戦!全てを終わらそう!!お願い、力を借して!!」
「だ、だけど…私はまどかを−−−」
「ほむらちゃんっ!!」

「…?」

「過去から逃げちゃ駄目だ!!今を受け入れろ!!」



「そんな…だって……あの子は…まどかは!!…まどか は魔法少女になって!!それで!!」


「それでも、俺達はもう逃げ出しちゃいけない!!未来に繋いでいくんだッ!!」



俺はワルプルギスの夜を見上げる。
さやかちゃんは両手に剣を構える。
ほむらちゃんは今の状況を理解しきれず、今だに まどかちゃんが魔法少女になって全てを変えてしまったことを受け入れられていない。

『アハハハハッ!!アハハハハハッ!!』

「行くぞ…さやかちゃん、ほむらちゃん…」
「えぇ」
「…くっ…」


これで、本当に最後だ。
受け入れろ、過去を。
そして繋げろ、未来へ!!



「さぁ、ショータイムだ!!」


作品名:Wizard//Magica Infinity −8− 作家名:a-o-w