Wizard//Magica Infinity −8−
さやかちゃんは、そんな俺の姿を、ただじっと見つめていた。
−ザッ…ザッ…ザッ…−
額に汗が流れる。
俺は片手でそれを拭いながら掘り返し続ける。
−ザッ…ザッ…ガキン!−
「っ!」
何かが当たった。
壊さないように慎重に周りの土を避け、それを土の中から取り出した。
酷く朽ち果てたアルミ箱だが見覚えがある。間違いない、予言日記を埋めるときに使ったあの時のアルミ箱だ。
「開けるよ」
「うん」
アルミ箱の蓋を開けた。
中を見ると4つの古ぼけた日記帳が入っている。
…俺達が書いた、予言日記だ。
「ははっ、昔のままだな」
俺は一冊の予言日記を手にとった。昔の俺が書いた日記帳だ。
「それで、俺はこれをどうすれば良いの?」
「えっとねぇ~…あ、そうなの?うん、わかった!…こほん、ハルト、他の3人の日記を見てみてって まどかが言っているわ!」
「まどかちゃんが?」
「そう言っているけど」
俺の書いた日記を地面に置き、恐る恐るまず俊平の日記を手にとった。
…しかし、内容は覚えている。
確か、俺と俊平の出来事が書かれた気持ち悪い内容だったはずだけど。
−−−けど、実際に開いて見てみると、全然内容が違った。
「えっ…」
「どうしたの?ハルト」
作品名:Wizard//Magica Infinity −8− 作家名:a-o-w