君と僕と星の祈り
枯れはてるまで声をあげる。その背中に、手を伸ばす。けれどその手は結局、求めるものには届かずに何もない、ただの空虚を掴んで消えた。
浮上した意識の中で、薄っすらとシミの残る天井を見つめた。横臥している。気付いたのは、その三秒後。
幻想に身体までも持っていかれていたのか、右手が夢の続きを見せるように天井に伸びていた。手を握る。また開く。現実だと、実感する。
「こう、たろう」
名前を呼ぶ。それは、幻想の中で見た姿。俺はその背中を追いかけていた。なんで、どうして。答えは見付からない。
呆れを含んだ溜息を一つ吐いて、痺れだした手をぼとりと落とす。冷たい空砲が身体にかかる。
(いつから、だったかな)
こんなにも、くだらない幻想を見るようになったのは。いつも同じ夢。おかげでただでさえ少ない睡眠時間が日々削られて行っている。いい加減原因を追究したいところだが、莫迦らしくてそんなことする気にもなれない。
もそりと時計をのぞけば、後数十分で起床時間だ。そんな残りの時間で再び眠る気にもなれず、俺は冷えた床に足を付けた。じわり、と冷たさが侵食されて熱が奪われていく。不意に、熱と一緒にこんな不快感も持っていってくれたらいいのにと、からっぽのこころが告げる。ああ。なんて愚か。二酸化炭素を吐き出して、大きく酸素を取り入れる。冷たい酸素が、肺を焼くようだった。
浮上した意識の中で、薄っすらとシミの残る天井を見つめた。横臥している。気付いたのは、その三秒後。
幻想に身体までも持っていかれていたのか、右手が夢の続きを見せるように天井に伸びていた。手を握る。また開く。現実だと、実感する。
「こう、たろう」
名前を呼ぶ。それは、幻想の中で見た姿。俺はその背中を追いかけていた。なんで、どうして。答えは見付からない。
呆れを含んだ溜息を一つ吐いて、痺れだした手をぼとりと落とす。冷たい空砲が身体にかかる。
(いつから、だったかな)
こんなにも、くだらない幻想を見るようになったのは。いつも同じ夢。おかげでただでさえ少ない睡眠時間が日々削られて行っている。いい加減原因を追究したいところだが、莫迦らしくてそんなことする気にもなれない。
もそりと時計をのぞけば、後数十分で起床時間だ。そんな残りの時間で再び眠る気にもなれず、俺は冷えた床に足を付けた。じわり、と冷たさが侵食されて熱が奪われていく。不意に、熱と一緒にこんな不快感も持っていってくれたらいいのにと、からっぽのこころが告げる。ああ。なんて愚か。二酸化炭素を吐き出して、大きく酸素を取り入れる。冷たい酸素が、肺を焼くようだった。