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時空省奇伝 次元と時を超える者たち

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序章-1 錬金術の世界


果たして汽車に乗ってからどのくらい経っただろうか。確かにこの世界の、この国へ来るための[次元の狭間]は首都から遠く離れた[リゼンブール]という場所にしかないということは前々からわかってはいた
し、時空省の隠れ拠点がそこであるから仕方ないといえば仕方がないことだ。
そういえば自己紹介がまだでした。私の名は{山本 誠一}という。人からは、しばしば平凡な名前であるとよく言われてしまうが、自分自身ではそんなに気にしてはいない。
そうそう、私の仕事内容について説明したいところだが、私の相棒{辻谷 広行}{つじや ひろゆき}クンが何か話したがっているようなので後程説明しよう。
辻谷「はぁ〜、あれからだいぶ時間がったみたいだけどまぁ〜だ着かないのか。」
山本「まぁ、しょうがないっちゃ、しょうがないけどね。このアメストリス国の首都{セントラル}から我々が降り立ったリゼンブールまでは距離がかなりあるからね。それに、わざわざ汽車にしたのは
俺がこの汽車に乗ったのは、もう一つ理由があるからさ。」
辻谷「あぁ、確かあの有名な{鋼の錬金術師}さんが乗ってるんだったかな?」
私は中指と親指をぱちんとならし、軽くうなずいて「その通り」と答えた。
鋼の錬金術師。もしかするとすでに知っている人もいるかもしれないが、知らない人がいるかもしれないので、私の手元の資料から説明しておこう。