時空省奇伝 次元と時を超える者たち
そのはずであった。辻谷示現流は、過去の示現流をさらに進化させた未来の示現流である。彼の四代先祖に当たる辻谷広重『つじたにひろしげ』は、その
身体能力を活かし、唐竹切りから横薙ぎへ移行させる技を作り出したのだ。キラーマシンは、勝ったと思ったであろうが。しかし、その瞬間鉄屑になっているとは
思わなかったであろう。こうして、二体のキラーマシンは無事に打ち倒し、百人の兵士の士気は格段に上がった。
孫一「ちくしょー!!。あの兄ちゃん、いいとこ持っていきやがったな。」
中尉も、先ほどからの固い顔から、安堵の表情を浮かべる。
ホークアイ「ええ、我々がかなわなかった相手をあの方々はやってくれました。一体あの方々は…」
このように、安堵している暇はすぐに終わる。後一体、一番厄介な兵器が残っているのだ。
戦いを終え、二人のもとへ帰ってくる辻谷と二人へ、フュリー曹長が駆けつける。
フュリー「みなさーん!」と大声をかける彼に
辻谷「どうかしましたか?」と尋ねようとする。だが、ふと空を見上げると敵からの砲弾が宙を覆っていた。「伏せろ!」ととっさにいうものの、すでに手遅れ、
辺りは弾幕のように飛んでくる爆風に見舞われ、四散した。
四人は、無事に避けたが、負傷した将兵もいるようだ。
ホークアイ中尉はこの状況に対し、「一体何が起こったの?」と曹長に質問を投げかける。
フュリー「はっ、はい!それが、突然敵の兵器一体が突如動きを変えたのです。」
辻谷は、すぐにその言葉を聞き「そうか。どうやら敵さん本気になりやがったか…」とつぶやいた。
その敵と対峙していたのは、私とエルリック兄弟、そしてスコールを含めた四人である。この『機動兵器8型BIS』は、キラーマシン二体を倒すと本気になるよう
プログラミングされていたのだ。
アルフォンス「駄目だ、さっきと全く動きが違うよ!」
山本「全くだ。こいつはそう簡単には倒せそうもない。」
スコール「だが、俺たちはあいつをやらないと先には進めそうも無い。…奴を倒し、道を切り開くだけだ。」
残る敵は一体。軍師団に匹敵するマシーンは、我々を狙う。その様子を高みの見物しているものがいるとは知らずに…。
作品名:時空省奇伝 次元と時を超える者たち 作家名:T・岩本