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時空省奇伝 次元と時を超える者たち

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??「ふふ、そう警戒なさらずともいいのですよ。『言峰綺礼』神父。この時間ではないと会えないので、夜分このようなときですが、
失礼させていただいてます。」
言峰神父は教会に入り、声の主をみる。そこには、190は超えているだろう、長身の男が立っている。彼と自分とほぼ同じ身長だ。その男は
自分とは違う部分があるものの、聖職者の恰好をしている。彼も、神に使えるものなのだろう。
言峰は冷静にその男をみる。そして、先ほどの事象について質問を始める。
言峰「━今のは、君の仕業かね?」
??「如何にも、先ほどの風はこの私『レオポルド・ゲーニッツ』の成したことです。」
言峰神父は、昔この男を一瞬テレビで見たことがある。そのことを思い出した。
━あれは、昔とある世界的格闘大会で起こったことだ。決勝戦終了後、テロ事件が発生し、会場であるスタジアムが全壊するという
事件が発生した。その大会は現在でも行われているが、いわくつきな話が沢山存在する大会でもある。その中でも、このときはメディアも闇に
葬ろうとしたためか、それに関し、記憶しているものはほとんどいない。その上、テロ実行犯がテレビに映りこんだとも言われているが
これも真相が分からず、うやむやになっている。
だが、言峰神父はかすか思い出した。あのときも、突然会場に突風が吹いたと思いきや、大会の様子を世界中に放映していたテレビが一斉に砂嵐に見舞われたこと。
そして、一瞬だがこの男がテレビに映りこんでいたことを…。
教会に戻る。ゲーニッツは言峰をみつめ、慇懃な態度で話を続ける。
ゲーニッツ「さて、私がここへ来たのはこの町に迫る『危機』についてあなたとお話したいことがあるからです。」
言峰「ほう、街に迫る『危機』と。ふっ、興味深い。ささ、遠慮せずにそこに座りたまえ。」