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黄金の太陽THE LEGEND OF SOL 13

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 この二つが記された事で、魔道書ネクロノミコンを手にした時と比べると、かなりのページが埋まった。どうやらこれは今回の暗黒エネルギーの暴走を境に起きたものと思われた。空いたページはもうほとんどない。しかし、やはり最終ページの呪文だけが唯一まだ最後が途切れていた。
――これだけの闇に晒されながらも出現しないとは。一体どんな魔術なんだ…――
 ガルシアは静かに魔道書を閉じた。
「おや、あんたの持ってるその本…」
 ヒエイがガルシアに声を掛けた。
「黒魔術の魔道書じゃないかい」
 ガルシアは驚いた。
「何故それを?」
「ちょいと貸してもらえるかい?」
 ガルシアは言われるままに魔道書を手渡した。ヒエイは受け取ると同時にページを繰り始めた。
「ふむふむ…、全部で呪文は13のようだね」
 ガルシアはさらに驚愕した。
「ご老人、どうしてそれが読めるのだ!?」
「あたしの鍛治の技術は魔術の一部でね、こういう類のものは分かるのさ」
 ヒエイは魔道書を手に詠唱した。
「地獄の業火、『ブレイズ!』」
 天井に魔法陣のようなものが現れ、そこから燃え盛る業火が降りかかった。
 言い争いをしていたシン達も驚嘆しきっていた。
「まあ、こんな感じさね」
 ヒエイは魔道書をガルシアに返した。
「驚いた、まさか読めるだけでなく、使えるとは…」
「ただ、最後のページのあの呪文、あたしにも読めないんだが、あんたもそうかえ?」
 ガルシアは頷いた。
「どんな魔術かは分からないけど、それが使えるようになったとき、力に溺れるような事になったらいけないよ。黒魔術は闇に直接通ずるものだからね」
 ヒエイは注意するように言った。それにしても、とヒエイはロビン達を見渡した。
 黒魔術を用いながらも聖剣を扱う青年、ダークマターの呪いを焼き払った赤毛の少年、腰にある二対の双刀から窺える闇に混じりて敵を討つ忍の黒髪の青年。そのどれもが並々ならぬ力の持ち主であった。
 その中でも特別に優れた能力を持つ者を、ヒエイは見破った。金髪碧眼の少年の中にはとてつもなく強く、そして闇に満ちた力を感じられた。
「あんた達の力は相当なもののようだね。黒魔術師に呪い焼き、忍に、そして金髪のあんたの力…」
 一同は驚きを隠せなかった。ガルシアやジェラルドは先程の騒乱でその力を見せていたのでなぜ分かるのか理解できる。しかし、今回ロビンもシンも力を発揮してはいない。特にもロビンに宿るものは暴走し始めなければ垣間見る事はできないはずだった。
 驚きと同時に戸惑いを見せる一同にヒエイは小さく笑った。
「ほほ…、このオババに見通せないものはないさ。これでも神様を使役するほどの力を持ってるものでね」
 ヒエイは微笑んだかと思うと、再び真顔になった。
「あんたら、大それた事をしようとしているんだろう?絶対に負けちゃいけないよ。あんた達に迫る驚異にも、自分自身の力にもね!」
 ロビン達は強く頷くのだった。