ULTRAMAN×STRIKE WITCHES
序章-Prologue-
宇宙とは一面が黒い空間ではあるが、決して真っ暗なわけではない。
それは、いくつもの恒星や、惑星が、太陽の光によって延々と輝いているからに他ならない。そこに広がる光景は、感動を覚えるほどの美しさである。
そんな宇宙空間に存在する青き我らが母星・地球。
その地球に向けて、青い光の球と、それを追う赤い光の球の二つが地球に向かっていた。
その日、『第501統合戦闘航空団ストライクウィッチーズ』に所属する少女、宮藤芳佳は魔女<ウィッチ>としての任務に従事していた。
その任務の内容とは夜間哨戒。
本来なら専門の夜魔女<ナイトウィッチ>である同隊員のサーニャ・V・リトヴャクの日課とも言える任務だが、この日の彼女は疲労で風邪を拗らせてしまい、代わりに芳佳に交代してもらったのだ。
元気なのが取り柄の彼女は、嫌がらずにOKの二つ返事をして、こうしてサーニャに代わって夜間哨戒を行っている。
『宮藤。定時報告をしてくれ』
「あ、はい。異常はありません。順調に進んでいます」
上司の坂本美緒少佐に応える芳佳。
『すまんな宮藤。お前一人でやらせてしまって……』
「いいんですよ。サーニャちゃんだって一人でやることだってあるんですし、それに私もいつまでも夜の飛行も一人でできるようにしたいですし…」
『はっはっは。そういうところはお前らしいな。ぶれなくて安心感すら覚えるよ』
「い、いや~、それほどでも…」
美緒に誉められて照れる芳佳。美緒との通信を一旦中断して、再び静かな夜を一人で飛ぶ。
「……月の光が綺麗だなぁ…」
月明かりに照らされる夜は絶景だった。自分は今ロマーニャにいるが、果たして故郷である扶桑皇国にいてこのような夜景を見ることができただろうか。そして、この美しい夜景がいつも見れるサーニャ達ナイトウィッチが少し羨ましく思えた。
そんな時、ふと夜空の上の方を見上げると、不思議なものが見えた。
「ん?……あれ、なんだろう…」
芳佳の目に入ったのは青い光の球だった。青い光の球はものすごい速さで海に消えていったが、芳佳はそれが気になってしょうがなかった。青い光の球が消えた方へと向かって、芳佳は調べることにした。
「……それにしても、あれは何だったんだろう。流れ星には見えなかったし……」
飛びながら考える芳佳。この時芳佳は気付いていなかった。
「……え?」
先ほどの青い光の球とは比べ物にならないくらいの速さで迫る、巨大な赤い光の球の存在に……。
「わあぁぁぁぁぁぁ!!?」
基地にいる美緒に報告しようとして、耳にはめたインカムのスイッチを押したと同時に、自身の腹の底から絶叫が飛び出し、それだけを残して、芳佳は赤い光の球と衝突した。
作品名:ULTRAMAN×STRIKE WITCHES 作家名:takaya103