ULTRAMAN×STRIKE WITCHES
EPISODE02:巨人-ウルトラマン-
謎の怪獣に続いて現れたのは、銀色の巨人だった。
巨人はリーネをゆっくりと降ろした後、怪獣へと目を向けた。
(まさか……戦う気なの?)
ミーナは巨人の行動を予想した。
すると、その予想は見事に的中し、巨人はファイティングポーズを構え、怪獣と向き合う。
『ジュアッ!』
『グルウウウウウ…!』
お互いに睨み合う両者。先に仕掛けたのは巨人だった。
『シュアッ!』
巨人は怪獣に掴みかかり、手刀を何度も叩き込み、左足で蹴り上げた。
さらに右腕の“エルボーカッター”から光の刃を怪獣に向けて放ち、光の刃は怪獣の腹部に切り傷を負わせた。
『ガアアアアア!!』
傷を負わされたことに怒ったのか、怪獣は青い光弾を巨人に向けて撃ちまくった。絶え間なく撃ち続けられる光弾の前に、巨人はただ攻撃を受け続けるしかなかった。
『シュアアアア……』
ドクン…ドクン…
怪獣の猛攻の前に、膝を着く巨人。胸の赤いY字状の“エナジーコア”が点滅し、心臓の鼓動音が聞こえてくる。
それを見た美緒はあることに気付く。
(…あの巨人、戦い慣れていないのか?いや、それだけじゃない……恐らくあれは、体そのものに慣れていないのでは……)
「美緒、どうかしたの?」
「……ミーナ!巨人を援護するぞ!あのままでは巨人がやられるかもしれん」
「でも、私達の攻撃では、あの怪獣には…」
「気を逸らす程度ならいけるはずだ!」
美緒の提案のもと、ウィッチは巨人を援護することにした。空を自在に飛び、魔力が含まれた銃弾が怪獣に向けて雨となって放たれた。
『! ギィヤアア――――!!』
怪獣は鬱陶しいウィッチ達に向けて攻撃する。その隙を巨人が見過ごすはずがなかった。
『シュアッ!!』
巨人は立ち上がり、右腕のエルボーカッターにエネルギーを蓄え、怪獣の腹部に強烈な右ストレートを叩き込んだ。
『ガアアアアアアア!!?』
怪獣は悲鳴を上げながらロマーニャの海へと沈んでいった。
「や、やったのか…?」
「あの攻撃でかなりのダメージを負ったはずだ。それに、あの様子じゃもう地上に出てくることもないだろう」
シャーリーとバルクホルンの二人が話していると、エーリカがあることに気付く。
「あっ!見て!」
エーリカの声に全員が見ると、巨人が苦しそうに地に伏し、さらに体が光の粒子となって消滅を開始していた。
やがて、巨人はウィッチの前から姿を消した…。
「なんだったんだ……あの怪獣といい、巨人といい…」
(嫌な予感がするな…このまま終わるような気がしないな……)
そんな時、インカムから声が聞こえてきた。声の主はリーネだった。
<あの、皆さん!芳佳ちゃんを見つけました>
「宮藤さんが!?」
<はい、体を揺すっても、声をかけても目を覚まさないんです!>
「分かった!すぐにお前達を回収する。どこにいる?」
<えっと、近くの狐島です>
「了解した」
戦闘を終えた501は、この後リーネと行方不明だった芳佳を回収し、基地へと帰還した……。
作品名:ULTRAMAN×STRIKE WITCHES 作家名:takaya103