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La Campanella

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「なんだ、さっきからジロジロ見て、なんか用か?」
不機嫌そうに高杉が言った。
銀時は肩をすくめる。
「いや、てめーにしちゃ、今回はめずらしくまともな策だと思ってな。どういう心境の変化だ?」
「なにも変わっちゃいねーよ」
そう吐き捨てると、高杉は横を向いた。
すると、そこに。
「高杉は素直じゃーないがやきなァ」
長身の男があらわれて、高杉の頭をポンポンと軽く叩く。
「俺の頭を叩くんじゃねェ、ブッ殺すぞ」
高杉は自分の頭の上にある手から逃れ、坂本をにらみつける。
しかし、坂本は気にしたふうもなく陽気な笑みを浮かべたままだった。
そんな二人は放っておいて、銀時は歩きだす。
しばらくして、桂と出くわした。
高杉や坂本、そして銀時と同じで、桂も戦装束である。
間もなく、出陣だ。
つかの間、無言で立ちつくし、見つめあった。
しかし、ふっとどちらからともなく表情をやわらげる。
眼は相手の眼をとらえたまま。
やがて、桂が口を開く。
「……行こうか」
「ああ」
ようやく視線を外し、そして、同じ方向を向いた。











あの頃は苦しいことや悲しいことの連続だった。
けれど、今ふり返れば、つらいことばかりではなかったような気がする。
どれほど激しく嘆き、深く落ち込むことがあっても、時が過ぎれば自分は笑っていた。
それは。
それは、きっと……ーーーー。








作品名:La Campanella 作家名:hujio