Wizard//Magica Infinity −9− 完
−−−長い夢を見ていた。
俺が生きてきた理由。
俺が戦ってきた理由。
俺が、俺という個体であった理由。
そして終わった。
俺の人生が…終わった。
だが、そんな俺の目の前に一つ。この、闇に閉ざされた世界に小さくふわふわと光の玉が浮いている。
「君は…だれ?」
俺の名前は操真ハルト。
いや…操真ハルトだった。
「だった…?」
俺の人生は終わっていた。
もう高望みはしない。
俺は…このまま闇の中に落ちていく。
深い深い…そこが見えない…闇の中へ。
「どうして?」
俺は、とある世界で償いきれない「罪」を背負った。
これは、俺が与えられた罰。
俺が背負わなければいけない罰なんだ。
「そんなことないよ。また、やり直せば良いじゃない」
無理なんだ。
俺はもう世界には存在しない。
意識だけだからだ。
「君という存在は…もうこの世界にないの?」
あぁ、そうだよ。
ちょっと、難しいかな?
「そっか…じゃあわかったよ」
−−−何を?
「僕が、君を受け入れる」
俺を?
君が俺を…受け入れる?
「僕が君の罪を一緒に背負ってあげる。さぁ、僕の中に入って…」
いいのか?
俺という因果を、君は受け入れるのか?
「一人じゃ無理でも、二人なら。一緒に頑張ろう?」
わかった。
これからは一緒だ。
俺が君の力になろう。
「うん」
光の玉は俺を取り込み、次第に大きくなっていく。
すると目の前の闇が光に変わる。
闇は全て光へと変わった。
そしてはじまる。
「0」から「1」へ。
また、始まりの時へ…
作品名:Wizard//Magica Infinity −9− 完 作家名:a-o-w