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Wizard//Magica Infinity −9− 完

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「そうだね。俺達は欲したんだ。明日を。光輝く明日を」

「だから私達は戦って来れた。決断することができた。自分の為でもあり、他人の為でもある…魔法少女になることができた」


俺は再び立つ。
そして概念と化したまどかちゃんの前へと進んだ。


「私が魔法少女になったきっかけって知ってる?」

「いや、そういえば聞いてなかった」

「ふふっ!私ね、いっちばん最初の世界で願ったこと。交通事故に遭った黒猫を助ける為に魔法少女になったんだ」

「まどかちゃんらしいね」

「全然、自分の為じゃないことにたった一度だけの願いを使ったの。だけど私は最初から自分の為に力を得ようだなんて考えたことはない。ただ…その子を救いたかったの。それに、この力を得てから朽ち果てそうな心をこの手で救いたいって思っていた。後悔したことなんて、一度も無いよ」

「俺は、魔法少女の涙をもう二度と見たくなかった。だけど、歩いている途中でそれは少しずつ変わっていった。無理矢理でも、彼女達を人間に戻してあげたかった。自分の中で何が起ころうとも考えず、ただ闇雲にね…でも、それでは駄目だった。結果、俺はワルプルギスへと変貌し、皆を不幸にしていた」

「うん」

「何故そうなったのか、やっとわかったんだ。俺はずっと過去に囚われていた。前へと進めず、ずっと後ろを見ていた。でももう大丈夫。俺はやっと未来を望むことが出来た」


もう、遅いけど…ね。


「ふぃ~…まぁ、俺はもう俺という存在は世界から消えてしまった。そうでしょ?まどかちゃん。俺がここに来たってことは、そういうことなんだろうと思うんだけど。でも大丈夫、俺は自分の罪をこれからも償い、受け入れ続ける。その覚悟はある」

「…うぅん、まだ…大丈夫だよ」

「え?」







「本当は、こんなことしちゃ駄目なんだ。世界の均衡が崩れ去るからね。だけど、ハルトくんは今日まで皆の為に戦って、皆の笑顔を守ってきた。そして罪を償い、自分自身と決着を付けた。その結果、あなたは消滅してしまったけど、私にはまだちょっとした手助けはできるんだよ?」


その瞬間、俺の身体が薄く…透けていく。

時間…なのかな。


それでも…俺は今、まどかちゃんの言っている意味がよくわからない。








「まどかちゃんっ…それってどういう意味?」

「ちょっとだけ、いたずらしちゃう…えへへっ」

「まどかちゃんっ!」




「大丈夫、みんなはもう大丈夫だから…ハルトくんは今度は自分自身に希望を抱いてみて…きっと…叶うよ…」



「まどかちゃんっ!!」







「ほむらちゃんも大丈夫だよ」







「待ってくれ!!俺はまだっ…」













「また会おう!ハルトくん」












ありがとう、ハルトくん!



あなたはもう立派なヒーロー






『仮面ライダー』だよ!









・・・

・・