二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

こらぼでほすと 花見1

INDEX|4ページ/4ページ|

前のページ
 

「そういうことなら、それでいいよ。・・・・ママ、クスリはちゃんと飲んでね? あと、ごはんも食べないとダメだよ? 栄養失調とか有り得ないんだから。」
「はいはい、わかってるよ。おまえさんも楽しんでおいで。あっちの海は南国だからオーヴと似ているはずだ。」
 オーストラリア大陸は南半球に位置しているし、赤道に近い場所だ。こちらとは、かなり季節も景色も違うだろう。オーヴの遠征に行けなかったリジェネにも、そういう旅行はいいだろう。

 さあ、昼寝しましょう、と、寝室に移動して、どうせ無意識だから、と、ニールはクスリを飲むとキングサイズのベッドに横になる。寺では、リジェネが、その隣りに入り込むのだが、今日は歌姫様がスタンバイ状態で、傍に座り込んでいる。邪魔にならないように、リジェネはベッドの横に立っている。
「・・・知らないぞ? 」
「はいはい、おやすみなさいませ、ママ。」
 クスクスと笑って歌姫様はママの手を握っている。オーヴで、フェルトが、そうやっていたら、ママは、ずるずるとフェルトを引き込んで抱き枕にしてしまった。あっという間のことで、カガリもラクスも止める暇もなかった。
「いいんだよ? 私も昼寝する。」と、フェルトは楽しそうに小声で、二人を止めて、そのまま目を閉じていた。どちらも信頼しているから、できることだ。フェルトだって、すっかり女性らしい体型になっているのに、ニールは、丁寧に頭を撫でて抱き込んでいるだけだった。本当に、自分たちのママは優しい人なんだ、と、カガリとラクスも、それを見て思った。
 すっとママが寝息を吐き始めると、腕を引かれる。ずるずると横になると、そのままラクスも抱き込まれた。少し身体からクスリの匂いを発している。点滴の所為だろう。フェルトと同じようにラクスの髪を梳いて、ママは、ほっと息を吐く。
「大丈夫ですよ。安心して寝てください。どこにも行きませんから。」
 実際は、ニールが人肌を欲しがっているから、こんなことになるのだ。寂しがり屋のママは、傍に人の体温があると安心する。本当は、抱き締めてあげたい、と、歌姫も思う。何もなくて安心できる世界があることを体温で報せてあげたい。ゆっくりとずり上がって、ママの頭を腕にした。ママがラクスの頭に回していた腕を外して、こちらがママを抱きこむ。悪いものから守れるように、そう願って、ママの髪を梳いた。すると、ママは大きく息を吐いている。
「大丈夫ですよ? ママ。怖いものは私が寄せ付けませんから。」
 リジェネも、ころりとラクスの背後に寝転がる。キングサイズのベッドなので、大人三人くらいは余裕がある。その光景を眺めつつ、人間って優しいものなんだな、と、考えて、こちらも目を閉じる。リジェネの場合は、このまま、ヴェーダとリンクして、旅行の件をティエリアに伝言しておくつもりだ。
作品名:こらぼでほすと 花見1 作家名:篠義