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こらぼでほすと 花見2

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 以前、デートしたいと言うので、北の方向に海に突き当たるまでのドライブデートというのに付き合った。今年は西だというのだが、それだと恐ろしく遠い距離になるのでは? と、思った。特区は東西に伸びる島だから、西の端となると、千キロ単位の移動になる。
「ただし、綿密な西ではない。移動に一時間で、そこに泊まる。」
「泊まるって・・・・今から飛び込みでか? 」
「いや、アスランが手配してくれた。二日間、あんたを独占するのが、キラたちからのプレゼントだ。」
 いつの間にか、そういうことが計画されていたらしい。というか、もうちょっといいものをリクエストすればいいだろうに、とは苦笑した。まあ、嬉しいといえば嬉しいのだが、贈り物をするほうからすると、物足りない。
「じゃあ、そこに置いてある服に着替えろ。どうせ、おまえさんは、リクエストくれないだろーから、勝手に用意しておいた。」
 春モノの衣服一式を用意しておいた。スプリングコートはクリームイエローの温かい色合いで、春モノのセーターは刹那が好きな水色だ。ようやく春に降りてきてくれた。なかなか予定が合わなくて、約束していたのに五年もかかったのは笑える。双子でも、服装のセンスは、まったく違う。実弟は、刹那の姿に映えるものを、ニールは、刹那の好きな色を織り込んだものを用意するからだ。これから二週間ほどは滞在するから、適当に着替えればいい。とりあえず、自分の見立てた服に着替えさせる。
「俺は、あんたの時に何も贈っていないんだが? 」
「桜を見られる時期に降りてくれただろ? それで十分だ。」
「あんたは欲が無さ過ぎる。」
「そっくり、おまえさんに返してやる。たまには、俺におねだりでもしてみろってーんだ。」
「だから、デートする。」
「はいはい、了解。」

 ざわっと大きな風が通り過ぎて、大量に桜の花びらが散って行く。それを被りつつ、山門を出てデートへと出発した。たぶん、亭主は、こうなることを知っていたから邪魔にならないように外出してくれたのだろう。カギは各人が持っているから、戸締りすれば問題はない。一応、「出かけます。酒のアテは冷蔵庫。」というメモだけは卓袱台に置く。用意していた晩酌のアテも、大したものではないから、さっさと準備した。翌日の朝の支度もしておけば、午後まで用事はない。一泊なら、午後には戻るつもりなんだろうと思っていた。
作品名:こらぼでほすと 花見2 作家名:篠義