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yamatoⅢ 太陽制御の後で 2

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<ヤマト帰還>
ヤマトは地上の放射能除去を終えると月面基地に元のクルーを乗せに戻りすぐに地球へ戻った。藤堂は入れ替わりで月面基地でてヤマトを地球で待っていた。




  「ヤマト、大気圏内に突入…」

島が大気圏内に突入するので自動操縦を解除すると尾翼が出てきた。

  「…雲がしっかりできているな。」(真田)

クルーの視線の先には真っ白な雲がありその先に真っ青な空と海が見えた。誰もが無言でその姿を見つめる。

  「すごいな…コスモクリーナーDは…」

島が操縦しながらつぶやいた。





やがてヤマトは太平洋に着水するとそのままトウキョウシティの地下にあるドッグに入港した。ドッグに入港したヤマトの下部にガントリーロックを施し海水を抜いた。

  「ヤマトの乗組員に告ぐ。今回の航海、第二の地球探しには失敗したが
   地球を救う事が出来てよかったと思う。長官より休暇の伝達があった。
   詳しい事はメールにて確認するように。今後の任務についても軍の指示が
   メールで送られてくるので休暇中も毎日メールだけは確認するように
   してほしい。
   艦長として最後にお礼を言いたい。ヤマトがこうして無事に帰還できたのは
   みなが持ち場をしっかり守ってくれたからだと思っている。
   本当にありがとう。この航海を次の任務に活かしてほしい。以上だ。」

進が相原のマイクを借りて艦内放送を流した。

  「乗組員は順次第三艦橋より退艦せよ」

進はそう言うとマイクを切った。第三艦橋にはすでに亡くなったクルーの亡骸が棺に納められていて最初に下された。第一艦橋のクルーはその映像をビデオパネルで見ていて全員が微動だにせず敬礼で見送った。その次に負傷しているクルーが降りてそのまま病院へ向かうようになっていた。
その後は新しい乗組員から順次下りるようになっていた。

  「…あれは…大統領じゃないか?」(真田)

病院へ向かうクルーが降り切るとビデオパネルが来賓席を映した。いつもなら藤堂がいる場所だが藤堂の横に大統領がいた。








  「艦長全員、退艦完了。残るはメインクルーのみです。」

島が進に敬礼しながら言った。第一艦橋にはメインクルーが全員そろっている。進は島の報告にうなずくと

  「みんな、ありがとう。…無事に帰還できてよかった。やっと艦長職を
   終わる事が出来る…。」

進は大きく息を吸った

  「さぁ…下りようか。」

進の言葉で全員がエレベーターに乗り込み第一艦橋を後にした。









  「古代…古代艦長。任務ご苦労だった。本当にありがとう。」

第三艦橋から外へ出ると長官と大統領がすぐそばに来ていた。ずらりと並んだクルーの一番後ろにいた進は慌てて前に出て藤堂の前に立って敬礼した。

  「さすがはヤマト…英雄の乗る艦だ…」

藤堂の横に立つ大統領が英語で進に声を掛けた。

  「いえ、ヤマトの中に英雄はいません。地球を救いたいと強く思っている
   クルーがいるだけです。」

進も流暢な英語で答えた。大統領は満足そうに進を見た後ユキに視線を移した。

  「森さん、危険な旅で疲れましたか?」(大統領)
  「いいえ、全く問題ありません。」(ユキ)

ユキの真っ直ぐな目をみて大統領は満足そうにうなずいた。

  「艦長、大統領がメインクルーを食事に招待したいそうだ。」

藤堂が苦笑いをしながら続ける。

  「予定にない事で申し訳ないが…ぜひ、招待したい。」

大統領は満面の笑みだ。進は藤堂の顔を一度見て小さくため息をついた。

  「…わかりました、大統領…ただ、少しだけお時間いただけますか?」

進がそう答えると大統領は頷いた。

  「時間通りに指定された場所へ向かいます…」

クルーは宇宙から戻るとその足で英雄の丘に行くのが通例だった。藤堂が大統領に説明しているのか耳元で小さな声で何やら話すと大統領は頷いた。

  「古代、大統領がOK出してくれた。すまんな…急な話で悪いが一応公式の
   場、となるのでタキシードに着替え出席してほしいとの事だ。場所は
   迎賓館で控室に着替えは用意しておく。タクシーを用意したから…慌てな
   くていい、との事だ。クルーが戻ってきたら始める、とな。ゆっくりして
   きたらいい。」

藤堂はそう言うと

  「私は大統領と一緒に移動するから…じゃぁユキ、後で…」

敬礼して大統領と共にドッグを出て行った。









作品名:yamatoⅢ 太陽制御の後で 2 作家名:kei