yamatoⅢ 太陽制御の後で 5
<始Ⅱ>
進の噂はあっという間に広がった。噂は進の周囲の人を二分割していた。
「古代さんに限って…噂だろう?あんなきれいな婚約者がいるんだ。女の
方から寄って行ったんじゃないか?」
と言うタイプと
「鬼の古代もあれだけ長く外にいるとやっぱり女に手を出す事もあるのか。
あいつも普通の男じゃないか。」
と言うタイプ。
だけど仕事中の進を興味津々で誰もが覗きに来る。進は至って冷静で何事もなかったかのように仕事をしていた……が、真田から連絡が入った。
「古代、時間あるか?」(真田)
「はい、大丈夫です。」
進はそう返事をすると近くにいた者に“科学局”へ行く事を告げた。
ノックをして真田のラボに入るとメインクルーが全員揃っていた。
「…全員集合だな…。」
進は苦笑いをした。
「噂の方を取ったな。」
島が含みを持たせる言い方をした。進はうなずいた。
「ユキは大丈夫か?」(島)
「あぁ…自分にしっかりしろ、って言い聞かせてるんだろうな。」(進)
「事の次第は俺から話しておいた。相原が晶子さんから直接聞いて…晶子さんは
その後誰にもその話をしてないけど気付いたら誰もが知ってる状態だった
と言っている。」(島)
「驚きましたが…島くんに聞いたら“そっちか…”って言ったので何か
あったんだ、と分かりました。」(相原)
進は無言だった。
「二人とも…大変だな。」(真田)
「えぇ…ただユキが気丈にふるまっているので俺もしっかりしないと…と
思うんです。ユキの方が辛いはずだし…。」(進)
「そうだな…」(真田)
真田が難しい顔をした。話しはそれだけじゃなさそうだ。
「実はもう一つ話がある…誰もが気付いているあのノイズだ。通信が一瞬
止まるような…今まで感じた事のないノイズ…。極秘でサイモン教授と
共に調査している。もう少し待ってくれ…とてつもない事が起きている
かもしれない…」
真田が珍しく明言を避けた。とてつもない事……今までも予測できなかった事が何度も起きている。それ以上の事が自然界で起きているのだろうか?
「さて…これからの事だな。」(南部)
「うん、どうする?」(太田)
そこへ進の通信機が鳴った。相手は中野。
「おつかれさん、古代だ。」(進)
<すみません!古代艦長…俺、口止めしたんです!絶対言うな、って!なのに
あいつ…何もわかってなくて…>
進は画面を見て必死に訴える中野がかわいそうになった。
「中野のせいじゃない。気付かなかった俺も悪い。うわさを流したが…林田も
それなりに辛い立場じゃないかな。」
進は思ったより穏やかだった。
<古代艦長…>(中野)
そこへ島が画面に入ってきた。
<島船団長…>(中野)
「お疲れさん、今、真田さんのラボのいるんだが来れるか?」(島)
中野は技術班だ。科学局付属となっている。
「真田だ…大至急来るように。」
静かな真田の声が中野を震えさせる。
<すぐに向かいます!>
中野が敬礼して画面から消えた。
進の噂はあっという間に広がった。噂は進の周囲の人を二分割していた。
「古代さんに限って…噂だろう?あんなきれいな婚約者がいるんだ。女の
方から寄って行ったんじゃないか?」
と言うタイプと
「鬼の古代もあれだけ長く外にいるとやっぱり女に手を出す事もあるのか。
あいつも普通の男じゃないか。」
と言うタイプ。
だけど仕事中の進を興味津々で誰もが覗きに来る。進は至って冷静で何事もなかったかのように仕事をしていた……が、真田から連絡が入った。
「古代、時間あるか?」(真田)
「はい、大丈夫です。」
進はそう返事をすると近くにいた者に“科学局”へ行く事を告げた。
ノックをして真田のラボに入るとメインクルーが全員揃っていた。
「…全員集合だな…。」
進は苦笑いをした。
「噂の方を取ったな。」
島が含みを持たせる言い方をした。進はうなずいた。
「ユキは大丈夫か?」(島)
「あぁ…自分にしっかりしろ、って言い聞かせてるんだろうな。」(進)
「事の次第は俺から話しておいた。相原が晶子さんから直接聞いて…晶子さんは
その後誰にもその話をしてないけど気付いたら誰もが知ってる状態だった
と言っている。」(島)
「驚きましたが…島くんに聞いたら“そっちか…”って言ったので何か
あったんだ、と分かりました。」(相原)
進は無言だった。
「二人とも…大変だな。」(真田)
「えぇ…ただユキが気丈にふるまっているので俺もしっかりしないと…と
思うんです。ユキの方が辛いはずだし…。」(進)
「そうだな…」(真田)
真田が難しい顔をした。話しはそれだけじゃなさそうだ。
「実はもう一つ話がある…誰もが気付いているあのノイズだ。通信が一瞬
止まるような…今まで感じた事のないノイズ…。極秘でサイモン教授と
共に調査している。もう少し待ってくれ…とてつもない事が起きている
かもしれない…」
真田が珍しく明言を避けた。とてつもない事……今までも予測できなかった事が何度も起きている。それ以上の事が自然界で起きているのだろうか?
「さて…これからの事だな。」(南部)
「うん、どうする?」(太田)
そこへ進の通信機が鳴った。相手は中野。
「おつかれさん、古代だ。」(進)
<すみません!古代艦長…俺、口止めしたんです!絶対言うな、って!なのに
あいつ…何もわかってなくて…>
進は画面を見て必死に訴える中野がかわいそうになった。
「中野のせいじゃない。気付かなかった俺も悪い。うわさを流したが…林田も
それなりに辛い立場じゃないかな。」
進は思ったより穏やかだった。
<古代艦長…>(中野)
そこへ島が画面に入ってきた。
<島船団長…>(中野)
「お疲れさん、今、真田さんのラボのいるんだが来れるか?」(島)
中野は技術班だ。科学局付属となっている。
「真田だ…大至急来るように。」
静かな真田の声が中野を震えさせる。
<すぐに向かいます!>
中野が敬礼して画面から消えた。
作品名:yamatoⅢ 太陽制御の後で 5 作家名:kei