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yamatoⅢ 太陽制御の後で 7

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 「すまんな、休暇だと聞いていたが…緊急事態だ。教授と一緒に調べていた
   事の結果が出た。銀河系中心に考えられない事が起きている。」

真田が端末をいじりながら言った。科学局のおおきなモニターに銀河系中心が映っている。そしてそこに斜めに交差するように映る銀河が見える。

そこへ島と太田が駈け込んできて少し遅れて相原が入ってきた。

  「遅くなりました。」(相原)
  「南部は?」(太田)
  「さっき帰還したから…すぐにここに来るって。」(相原)
  「真田さん、この映像は?」(島)
  「あぁ…銀河系に…交差してるこの銀河系は…」(太田)
  「すみません、遅れました!」

ちょうどそこへ南部が息を切らせて入ってきた。

  「南部、急がせて悪いな。ちょうど今説明しようと思っていた所だ。」(真田)
  「あぁ、よかった間に合って…お願いします。」

南部は汗を拭きながらモニターを見た。

  「これは?」

南部は真田を見た。

  「この映像は銀河の中心の現在の映像を加工処理しているものだ。銀河の
   中心に異次元から現れた別の銀河が交差しているんだ。」(真田)
  「…そんな…銀河の中心と言えば…」(進)
  「そうだ、デスラーのガルマンガミラスがある。ボラーも…今デスラーに
   通信を送っているが…電波が届かない状態になっている。」

ユキの顔色が変わった。

  「デスラー…」(ユキ)
  「タイムラグがあるから…太陽を制御してデスラーが戻る時間を考えると
   ガルマンガミラスに着いた後、すぐにこの銀河系が現れたと思う。その頃
   地球でも少し通信する時にノイズが現れていた…がすぐに無くなったから
   深く考えなかった…だけどその後何度も同じような事があって…相原は
   その時俺に連絡くれて…調べたけどなんせ銀河系中心のデータが無くて…
   デスラーにも通信を送っていたが何も返事がなくて…デスラーもそれどころ
   じゃないかもしれん。自分の民族を守るために必死になっているだろう。」

真田は一度モニターを見た。
 
  「俺はこれを長官に報告してヤマトで銀河系中心に調査で向かう事を提案
   しようと思う。」(真田)
  「ヤマトで?」(進)
  「鋼鈑をコスモナイトでコーティングし直して…それが終わったらすぐに
   出航する。」

真田はそう言うとユキを見た。

  「すまんが今回ユキを連れて行く事は出来ない。」

真田の言葉にユキの周りの空気が止まった。進も島も太田も南部も相原も真田を見た。

  「真田さん、なぜユキを置いて行くのですか?」(島)
  「そうですよ、その権限は古代の権限じゃないですか!」(南部)

真田に食って掛かる二人を見て真田の一言に驚いて進は何も言えなかった。

  「古代、お前も何か言えよ!」

島が進を見た。

  「これはユキの為なんだ!俺だってユキを置いて行きたくない!」

真田が珍しく感情を表に出した。

  「古代は…ユキと結婚の話を進めようとしてるだろう?」

ユキは驚いて進と真田を交互に見た。

  「すまん、ユキ。古代から相談受けて…一日でも早くした方がいい、って
   アドバイスしたんだ。」

真田がユキに頭を下げた。

  「真田さん…」

ユキはどうしたらいいかわからずおろおろした。

  「島と南部の気持ちは分かる…だけど女性のリスクを考えると連れて行け
   ないんだ。わかるよな?少し前の銀河系と違うんだ。俺たちの知っている
   銀河じゃない…危険なんだ…もし、ユキが子供を産めない身体になったら
   誰が悲しい思いをするんだ?ユキ一人の問題じゃない…だからどうしても
   連れて行けないんだ。」(真田)
  「だけどそれは男性も同じじゃないですか。リスクを伴うのは女性だけじゃ
   はいはずです!」

ユキはもともと看護士。その辺りの知識は深い。

  「そうだ…その通りだけど……ユキは判ってるはずだ。どっちのリスクが
   大きいか…」

真田の言葉にユキは何も言えず…ポロっと涙が落ちた。

  「今回は佐渡さんも待機組だ。アナライザーだけ連れて行く。」

真田の声が少し小さくなった。









作品名:yamatoⅢ 太陽制御の後で 7 作家名:kei