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こらぼでほすと 花見3

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「そろそろ、出発したかなあ。」
「ママニールが昼寝から覚めて準備したら、こんな時間だろうな。移動は小一時間だから、これから移動しても十分、ゆっくりしてもらえるよ、キラ。」
 店では、少し早めにやってきたキラとアスランが、事務室でお茶をしていた。実のところ、店は、それほど忙しいわけではない。予約客は三組だし、時間も早くはないのだが、その前に花見の打ち合わせをするから、キラたちも早く出勤していた。
「それで花見は、なんかやるのか? キラ。バトミントン大会でもするか? 」
 もちろん、悟空も居る。寺に帰るとニールが出かける妨げになるだろうから、アカデミーから直接、こちらに出勤して来た。
「バトミントンがいいかなあ。身体を動かすなら、ドッチボールとかでもいいんだけど。」
「それ、エグイことになりそーな気がするぞ、キラ。おまえ、悟空の球なんか受けられないだろ? 」
「俺、左で投げるぜ? 鷹さん。そうでないと怪我するだろ? みんなが。」
 悟空が全力でボールを投げたら、剛速球だ。とてもではないが、受け止められる人間はいない。
「バレーとか? 」
「アタックなしなら、なんとかなるけど。ネットが必要になるな。」
「もうちょっと穏便なのにしろ。アイシャが参加できん。」
「というか、なんでスポーツ大会になってんだよ? 花見だろ? 静かに酒でも飲んでろ。」
「だって、悟浄さん、飲み食いだけなんて退屈するよ? どうせなら、身体も動かしたい。」
「そういうことなら、本堂の前に宴席は設けましょう。境内は好きなスポーツをやるということにしておけば、飲み食いだけの人と騒ぎたい人で自由にできます。アスラン、デリバリーは頼んでもいいですか? 何か温かいものだけ準備しましょうか? 」
「いえ、八戒さん。今回は、何も準備しないでください。温かいものも、こちらで手配します。」
 花見とはいえ、ただの飲み食いだけとは行かない。どうせ、若いものたちは暴れるし、若くないのも参戦するに違いない。
「さすがに野球をするには境内じゃ狭いしなあ。・・・・適当にバレーボールとドッチボールとバトミントン辺りを順番にやるか? キラ。」
「そうだね、悟空。別に、ひとつに決めることもないよね。シンたちは、どうせ悟空と張り合うんだろうし。刹那もいるしね。いろいろ用意しておくよ。」
 どうも半日かけて、スポーツ大会をやりつつ花見をするというアグレッシブな宴会になりそうだ。そこへ、シンとレイも出勤してきた。花見の内容に、うんうんと頷いている。
「そうだな、バスケは砂利で無理そーだから、そこいらかな。あと、サッカーもできるぜ? 悟空。」
「シン、サッカーは危なくないか? キックボールが、コントロールできないと宴席に飛び込むぞ? 」
「あ、缶蹴りは? あれ、見てるのも楽しそうだ。」
「隠れるとこ少なすぎ。あと、気配感じられる人間が多すぎて、絶対に蹴れないぞ。」
 コーディネーターとか人外とかイノベーターとか人の気配を敏感に察知できるものばかりだと、隠れて缶を蹴るなんて不可能だ。
「おまえら、どんだけ暴れるつもりだ? 球技だけにしろ。」
「とりあえず、バレーとドッヂとバトミントンだけ用意します。あとは、その場でできるものということに。」
「うちのも呼ぶかい? アスラン君。それなら、六人制バレーで対戦できるよ。」
「それもいいですが・・・親衛隊のみなさんが怪我しませんか? 」
「ハンデはつけてやってくれ。そろそろ、うちのは壮年だからさ。」「わかりました。親衛隊の方が怪我しない程度で、対戦ということに。それなら、デリバリーも増やします。」
 みんなで、わーわーと決めているのだが、いつの間にか、刹那の誕生日を祝うという主旨がなくなっていたりする。まあ、別に二日間、のんびり、親猫に祝われてくるのだから、そこいらは大義名分ということになるらしい。
 



 刹那も身長が伸びた。運転席でハンドルを握っているが、もう不審に思われることもない。西へ、と、クルマと走り出したが、行く先は当人も、よくわからないと言う。
「アスランがナビにデータを入れてくれたんだ。この高速道路を降りてからは、勝手に目的地にクルマが走る。」
「おまえら、いつから、そんなことしてたんだよ? 昨日、降りて来ただけだろ? 」
 刹那が降りて来たのは、昨日の深夜だ。それから、寺で晩御飯を食べて寝ただけなので、実際にアスランたちとは、まだ顔を合わせていないはずだ。
「移動中に、キラとメールでやりとりをしていたんだ。リクエストを聞かれたから、あんたの独占をしたい、と、言ったら、こうなった。」
「あーそういうことか。」
 確かに、ニールを独占するとなると、寺に居ては無理だ。なんせ、寺には女房が留守をするだけで不機嫌になる亭主が居るし、女房の間男とか息子扱いの悟空とレイとリジェネがいる。それに、歌姫様とかキラたちまでが入り浸るので、独占なんて不可能だ。 亭主が外出したのも、悟空が店に直接、出勤したのも、先に、この予定を知らされていたからだろう。いい加減、俺だけにサプライズすんのは勘弁してくれ、と、ニールは苦笑する。大概、ニールには事前予告はない。いつも突然に、拉致されるパターンだ。まあ、これといって予定もない主夫だから、なのだろうが、それならそれで、こちらも準備させて欲しいとは思う。
「たまには、あんたもゆっくりさせてやりたいってキラも言ってたぞ? ちゃんと大人しくしてないのか? 」
「はあ? 」
「あんた、まだ療養しているはずだろ? この間、風邪ひいてダウンしただろ? ティエリアとロックオンが注意しておけって言ってたぞ。」
「げっ。」
「何が、『げっ。』 だ? リジェネが心配で泣きながら連絡してきたらしい。すぐに、ティエリアからアスランに連絡したそうだ。」
 それを聞いて、なるほど、と、ニールも頷いた。ちょうどハイネがラボのほうに出向いていた夜に発熱して起き上がれなくて、どうしようか、と、思っていたらアスランとドクターが飛び込んできたのだ。
悟空が連絡してくれたと思っていたが、そうではなかったらしい。ニールも、発熱で朦朧としていたから、どうなっていたか、よくわからなかった。
「そういや、そうだよな。リジェネはとなりで寝てたんだから気付くのも一番か。」
「そこじゃないだろ? 」
「いや、飛んでるウイルスにまで対処できねぇーよ。」
「過労だったんじゃないのか? キラたちも反省してた。」
「春休みだからって出かけてたからなあ。」
 春になったら、細胞異常も一段落するから外出してもいい、と、ドクターから許可を貰っていたので、みなが、いろんな予定を作っていた。フェルトが降りて来る休暇には、オーヴのカガリの別荘へ、その後、こちらに戻って遊園地やら水族館やらと毎日のように遊びまわっていた。フェルトが欧州に旅立って、次にリジェネが降りて来た。やはり、リジェネとも外出していた。それから風邪を引いたのでキラたちも連れまわしすぎたと反省したらしい。
「あんたには、養生するという考えはないのか? 」
作品名:こらぼでほすと 花見3 作家名:篠義