約束を破ると損をする
毎日同じことを繰り返している。
でも、それは幸せなこと…。
変わることのない時間を。
いつもと同じ平和な日々を。
いつまでも願っているんだ…。
「ラズロ?何してんだ。こんな朝っぱらから?」
今は早朝5時頃。
鍛錬しようという人以外、こんな早く起きてくる人はいない。
そして、とても珍しく早起きしてきたハーヴェイは眠たそうに目をこすりながら早朝の朝日を浴びにきた。
ボーと海を眺めていたラズロを発見し何をしているのか不思議に思い近づいてきた。
「えっ…?あっ、おはようハーヴェイ。今日は早いね」
海から視線を外し、少し遅れて反応する。
そして、いつも通りの笑顔で挨拶をした。ハーヴェイが早朝に起きているだけでも奇跡的なのだが、ラズロはあえて気にしなかった。
「おう。それで、いったい何してんだ?」
「えっと…掃除…かな?」
ハーヴェイの視線がラズロから、すぐ脇においてある掃除用具に移った。
道具は綺麗にまとめられている。掃除はもう終わったみたいで、後は片付けるだけという状態だ。
「こんなこと軍主が自らやってんのか?」
「うん。朝早く起きる癖は直らないし、時間は有効に使おうと思って。それに、毎日やってることを途中でやめるのってなんか嫌だしね」
「へ~…って毎日!?」
「うん」
のほほんと笑うラズロ。
昔は毎日スノウの世話していたので当然というような気持ちだが、ハーヴェイにしてみればそれは異様としか言いようがなかった。
軍主というのは下っ端がするような掃除などとは無縁の存在だと思っていたからだ。
海賊島でも下っ端が雑用をやるもの。
そのためハーヴェイは驚きを隠せない。
「それに、一人で掃除しているとね…」
ザザ…と、波と共に船が少し揺れる。波が出れば当然のことなので、船の揺れを気にかける人はいないだろう。
目の前に敵がいなければ…。
「なっ!?」
「ポイズンリザードだね」
ラズロは特に慌てることなく落ち着いているが、ハーヴェイは朝からということでまだ心の準備が出来ていない。だが、日頃からの戦闘が身に付いているのか、すぐ剣に手をかけ戦闘態勢に入る。
二人とも言葉を交わすよりも先に敵に向かっていく。ラズロのスピードの方がハーヴェイより速く、結局ラズロ一人でポイズンリザードを軽くあしらう形になってしまった。
「…おまえ、すげーな!」
ハーヴェイは心の底から感心したらしく、目をキラキラと輝かす。
「掃除してると敵が油断してると思うらしくて襲って来るんですよ。だから良い訓練になるんです」
爽やかな笑顔のまま剣をしまう。
ハーヴェイはラズロの剣に血が一滴もついていないのを見て、それほどの速さで敵を討ち取ったという事実にも改めて感心していた。
「なぁ!!俺も明日掃除手伝うから一緒に訓練していいか!?」
「いいですよ」
ハーヴェイはいまだに目を輝かせ無邪気に笑う。熱いくらいのキラキラ光線を断る人はまずいないだろ。
「それじゃあ、僕はこれ片付けてきますね」
傍に置いておいた掃除用具を手に持ち、片付けに向かう。
「明日の朝!約束な!!」
「ハーヴェイが起きてこれたらね」
「任せとけっ!!」
ガッツポーズを決めて自信満々に答えるハーヴェイに悪戯っぽい笑顔を向けてラズロは船内に戻っいった。
ーーー翌日。
「ん~…今日もいい天気だな。洗濯物がよく乾きそうだ」
いつも通り掃除や雑用をしながら敵と戦う。
そして、終わった後はボーと海を眺めること約2時間以上。
現在時刻7時過ぎ。
「起きれるはずないよね~。毎朝お昼に起きる人が…」
海を眺めながら楽しそうに笑う。
多分起きてこれないだろうと思っていたので、最初から期待もしていなかった。
むしろ来ないことが予想通りなのだが、来たらきたで雑用を押し付けてみようかな…などと考えていたのだ。
来ないならこないで、ハーヴェイを後でからかうのも楽しいかもしれない…。
ラズロは悪戯を思いついた子供のように、無邪気に黒い笑顔を浮かべた。
でも、それは幸せなこと…。
変わることのない時間を。
いつもと同じ平和な日々を。
いつまでも願っているんだ…。
「ラズロ?何してんだ。こんな朝っぱらから?」
今は早朝5時頃。
鍛錬しようという人以外、こんな早く起きてくる人はいない。
そして、とても珍しく早起きしてきたハーヴェイは眠たそうに目をこすりながら早朝の朝日を浴びにきた。
ボーと海を眺めていたラズロを発見し何をしているのか不思議に思い近づいてきた。
「えっ…?あっ、おはようハーヴェイ。今日は早いね」
海から視線を外し、少し遅れて反応する。
そして、いつも通りの笑顔で挨拶をした。ハーヴェイが早朝に起きているだけでも奇跡的なのだが、ラズロはあえて気にしなかった。
「おう。それで、いったい何してんだ?」
「えっと…掃除…かな?」
ハーヴェイの視線がラズロから、すぐ脇においてある掃除用具に移った。
道具は綺麗にまとめられている。掃除はもう終わったみたいで、後は片付けるだけという状態だ。
「こんなこと軍主が自らやってんのか?」
「うん。朝早く起きる癖は直らないし、時間は有効に使おうと思って。それに、毎日やってることを途中でやめるのってなんか嫌だしね」
「へ~…って毎日!?」
「うん」
のほほんと笑うラズロ。
昔は毎日スノウの世話していたので当然というような気持ちだが、ハーヴェイにしてみればそれは異様としか言いようがなかった。
軍主というのは下っ端がするような掃除などとは無縁の存在だと思っていたからだ。
海賊島でも下っ端が雑用をやるもの。
そのためハーヴェイは驚きを隠せない。
「それに、一人で掃除しているとね…」
ザザ…と、波と共に船が少し揺れる。波が出れば当然のことなので、船の揺れを気にかける人はいないだろう。
目の前に敵がいなければ…。
「なっ!?」
「ポイズンリザードだね」
ラズロは特に慌てることなく落ち着いているが、ハーヴェイは朝からということでまだ心の準備が出来ていない。だが、日頃からの戦闘が身に付いているのか、すぐ剣に手をかけ戦闘態勢に入る。
二人とも言葉を交わすよりも先に敵に向かっていく。ラズロのスピードの方がハーヴェイより速く、結局ラズロ一人でポイズンリザードを軽くあしらう形になってしまった。
「…おまえ、すげーな!」
ハーヴェイは心の底から感心したらしく、目をキラキラと輝かす。
「掃除してると敵が油断してると思うらしくて襲って来るんですよ。だから良い訓練になるんです」
爽やかな笑顔のまま剣をしまう。
ハーヴェイはラズロの剣に血が一滴もついていないのを見て、それほどの速さで敵を討ち取ったという事実にも改めて感心していた。
「なぁ!!俺も明日掃除手伝うから一緒に訓練していいか!?」
「いいですよ」
ハーヴェイはいまだに目を輝かせ無邪気に笑う。熱いくらいのキラキラ光線を断る人はまずいないだろ。
「それじゃあ、僕はこれ片付けてきますね」
傍に置いておいた掃除用具を手に持ち、片付けに向かう。
「明日の朝!約束な!!」
「ハーヴェイが起きてこれたらね」
「任せとけっ!!」
ガッツポーズを決めて自信満々に答えるハーヴェイに悪戯っぽい笑顔を向けてラズロは船内に戻っいった。
ーーー翌日。
「ん~…今日もいい天気だな。洗濯物がよく乾きそうだ」
いつも通り掃除や雑用をしながら敵と戦う。
そして、終わった後はボーと海を眺めること約2時間以上。
現在時刻7時過ぎ。
「起きれるはずないよね~。毎朝お昼に起きる人が…」
海を眺めながら楽しそうに笑う。
多分起きてこれないだろうと思っていたので、最初から期待もしていなかった。
むしろ来ないことが予想通りなのだが、来たらきたで雑用を押し付けてみようかな…などと考えていたのだ。
来ないならこないで、ハーヴェイを後でからかうのも楽しいかもしれない…。
ラズロは悪戯を思いついた子供のように、無邪気に黒い笑顔を浮かべた。
作品名:約束を破ると損をする 作家名:浅戯