作戦はアイスがカギ
「カイト兄どこでアイス買うの?」
どうしてもアイスが食べたいカイトはあの後すぐにレンを連れ外出する。
目的の場所は決まってるらしくサクサク歩く。
「この先に新しくできた美味しいアイスクリーム屋さんがあるんだよ」
スキップでもするんじゃないかと思うくらい上機嫌に歩く。
最近ハマっているというアイスクリーム屋さん。実際にお店に連れて行ってもらうのは始めてだ。お土産で買ってきてもらったことはあったがリンに横取りされて食べられなかった苦い思い出が…。
美味しいと評判なだけに、人も多い。人の波に紛れカイトとはぐれそうになる。
「レン!!ほら、手…」
「…うん」
カイト兄はやっぱり俺を子供扱いする。
理不尽な子供扱いなら怒るところだけど、いつもちょっと嬉しくなるようなことばかり。
だから何も言えずに従ってしまう。
素直にカイト兄の手を握ると、しっかり俺の手を掴み歩いて行く。
力強く進むカイト兄…目的がアイスだからと言う理由が一番なんだと思うけど…。
それでも優しく誰よりも愛しいカイト兄と過ごせる時間が一番の宝物だ。
「アイス買えて良かったね、また一緒に食べに行こうね」
「うん!!」
明日からまた作戦を練ろう。
カイト兄と出かける為に…。
END