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タイムドライバー

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ミレーヌのためなら、お前も命を捨てられるんだろうなって、
そんな事を思っちまった」
ラクスで焚き火の前で見たバサラの淋しげな横顔の訳を理解した。
あのときバサラは孤独だったのだ、
シビルとギギル、ガムリンとミレーヌ。
そしてバサラは一人だった。
「ブラックホールの中の、ギギルと俺が居たところ。あの場所には俺じゃなくてシビルが行くはずだったんだ」
「どうゆうことだ?」
「本当はギギルとシビルを繋ぐ糸だったんだ。その糸に、俺が絡んじまったってわけ。
大丈夫、それはまだ、ちゃんと繋がってる。いつか必ず、シビルはギギルを迎えにいくはずだ。」
「そうゆうことなのか」
千葉の話と少し違っているではないか。
もっとも、千葉にはそこまで知りようもなかったかもしれない。
彼なりの分析だったのだろう。
「バサラの奴、ちゃんと千葉に手紙を渡してくれるだろうか?」
急に心配になった。
「大丈夫、渡しといたぜ」
「ええっ?」
「若い頃に俺が間違いなく渡しておいた。おっさん、俺の目の前で手紙を読んでビックリしてたぜ。
誰から受け取ったって訊かれたから、  未来から来たガムリンだって答えた」
確かに、あのバサラはこのバサラなわけで……??
「お前は、俺が過去に行くことを知ってたってことか?」
「ずっと忘れてたんだけどな……。
意識がなくなってから、心の中で一人でいろんな事を
考えたり、思い出したりしてた。
そしたら、そんな事もあったなって思い出したんだ。
あれは、俺を助けに来たお前だったんだなってさ……」

千葉も、バサラも知っていたということか。
託された手紙にはきっと、タイムマシンを用意するような指示が
されていたのだろう。
過去と未来。時の輪を結ぶ不思議はわからない。

過去へ戻ったところで何かがやり直せたのだろうか。
バサラを絡めていた糸を解いたわけではなかった。
それでもこうしてバサラを取り戻すことが出来た。
ガムリンが過去へ戻ることは、前に進む事だったのかもしれない。
過去はやり直せないから、その先の生き方を見つけるしかないないのだろう。


「さて、本当に還ろうぜ、千葉が心配している」
自分の為に力を尽くしてくれた友の待つ未来へと還ろう。
ガムリンはバサラの手をきつく握りしめると、失いかけた温もりを愛おしんだ。
二度と離さないようにと。

2013.11.21



最後まで読んでくださってありがとうございます。
「ギギルとシビルの繋がれた糸に、勝手に絡んじゃったバサラと、
それを助けに過去に戻ったガムリンさんは、若い頃のバサラのハートを
掴んできちゃいました」というお話でした!
作品名:タイムドライバー 作家名:小毬