G Generation Guardian
「了解です。まだ未熟ですけど、宜しくお願いします!」
ハヤトの真っ直ぐとした言葉に、フォックスは笑みを浮かべながら小さくうなずいた。
その時、トレーニング・ルームの扉が開かれた。
「…訓練は終わりましたか…?」
そう言って姿を現したのはノエルであった。ハヤトは治まった動悸が再び激しくなる事を感じ、少し焦りを見せた。
「もう終わりましたけど…どうしたんですか?」
「貴方と会いたいと言う人がいるのですけど、構いませんか?」
「いいですけど…」
ハヤトは不可解な頼みに戸惑う。
ここのクルーの人間とは挨拶を済ませている。艦橋から格納庫まで、無駄に広い艦内をくまなく走り、挨拶を交わした。筈である。だがしかし、まだ自己紹介を終えていないクルーがいたのならそれは失礼にもなる。謝罪も必要だろうか、とそんな事を考えていた。
「ではどうぞ、“Dr”。」
ノエルの声に導かれて姿を現したのは、地を這う円盤状の物体であった。ハヤトの脳裏には自走式の小型掃除機であった。ノエルは「会わせたい“人”」がいると言った筈だ。この様な円盤が人では無い事など、犬や猫でも理解することが出来る。
しかし、もし彼女が「これ」を本気で人だと言い張るならば、彼女の価値観と言う物を一度疑わねばなるまい。
『少年…驚いておるな?愉快、愉快。』
ハヤトは声も出せず困惑していると、その円盤から声が聞こえてくるではないか。しかも年老いた老人の声である。只一つ言うとすれば、こちらにしてみれば愉快である訳ではない。という事である。
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん