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G Generation Guardian

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「どうぞ、お上がりになって下さい。」

「ああ。」
「頂きます。」

男と女は住職の言葉に応え、小皿に彩られた和菓子に手を伸ばし、口に入れる。

「美味しい…!」
「…旨いな。」

二人は思わず言葉を発し、菓子の旨さに舌鼓を打った。住職は満足そうに二人が菓子を食するのを眺めている。

「気に入って頂けて何よりです。若い客人は珍しく、構いたくなってしまうもので。」

「いえ、お心遣い、痛み入ります。」

住職の言葉に対し、女は礼儀正しく言葉を返し、軽く頭を下げる。彼女の出で立ちは慎ましやかで気品がある。正に「大和撫子」と形容するに相応しい。

「ところで…。お二人は恋人、いやご夫婦で?」

「ああ。この間籍を入れた所だ。まぁ、「この世界」に来る前の事だが。」

特に動じる様子も無く、男は住職の問いに対しそう応えた。言葉遣いは少々ぶっきらぼうな所が見え、雰囲気も人を寄せ付け難いものを感じさせるが、その瞳には熱く滾る炎が秘められている。女の大和撫子に対し、こちらは「日本男児」と言ったところだろうか。

「それはおめでとうございます。して、貴方は何を以ってこの古寺に?」

「…言っても仕方のない事だ。」

先程の問いに対し、男ははぐらかすように歯切れの悪い言葉を返した。どうもそこまでは住職に心を開いていないらしい。

「仰られたく無いのであれば、構いません。では老骨から戯言を一つ。貴方は優しい御仁とお見受けしますが、一人で悩みを抱え込むことはなりません。全てを分かち合うと誓った者が隣に居るのなら、尚更の事。どうか胸に留めて置きますよう。」

「…ああ。」

男は一度女の方を振り向き、住職に対し応えた。菓子と茶を味わった後、二人は寺を後にすることにした。
作品名:G Generation Guardian 作家名:かめわん