島を想う(宇宙戦艦ヤマト完結編の後)6
<宴>
進とユキはシャトルバスを見送りながらエアカーに乗りバスを追い越して南部ホテルに入った。
「ユキさん、転ばないように急いでくださいね~。」
南部が笑いながら一緒に歩く。
「やっぱり先撮りしておいてよかったですね。」
南部の言葉にユキが止まった。
「どうしました?」(南部)
「あのねぇ、私聞いてなかったんだけど?」(ユキ)
「何の話ですか?」(南部)
「写真館のモデルの話!」(ユキ)
ユキが少し怒った顔をする。
「古代くんがタキシード来てるからどうして?って思ったの。タキシードで
撮影した後今度軍の士官服着てるし…」
南部が“急いで急いで”と言うので早歩きで歩き出した。
「あぁ…そう言えばユキさんが試着してる時に古代に話したんだ。すっかり
忘れてました。そうそう、いい写真が撮れた、ってカメラマンも喜んで
いましたよ。ちょうど今度の事で内装改めよう、って話だったから…
内装も新しく、写真も新しく、でちょうどいいでしょ?」
全く悪びれない南部。ユキも怒る気持ちが萎えた。
「南部くんじゃ怒れないわ。」
ユキが再び歩き出す。
「すごいいい写真でしたよ。新婚旅行から戻って来たらお渡ししますから…
待っててくださいね。」(南部)
「わかったわ。お土産と引き換えね。」
ユキもしょうがないなぁ、と笑う。
早歩きで進とユキはそれぞれの控室に入った。
「こんにちは。」
悠輝がユキを待っていた。
「すみません、今日もよろしくお願いします。」
先日、先撮りの時にお世話になったばかり。
「さぁ…こちらをどうぞ。着替えたらメイク、整えましょう。髪もUPします。」
ユキは深い緑のドレスを受け取るとそのまま別の部屋に着替えに入った
すぐに着替えは済んで慣れないドレスの裾を気にしながら出てきた。
「こんなフワフワの着た事がないから…踏んじゃったりしなかしら?」
ウェディングドレスもボリュームは少ない方だった。
「大丈夫ですよ、コツがあるんです。ブーケを持ちながらここを持つと…ほら
歩いやすいでしょう?」
悠輝が説明すると確かに歩きやすい。
「うん、大丈夫。」
ユキは先日と同じようにドレッサーの前に座ると英雄の丘でメイクしてくれた人がドレスに合わせたメイクをしてくれた。
「ユキさん、ブーケが先ほど届きましたよ。次のドレスにもよく合いますね。
少し(値段が)張っちゃったけど…大正解ですよ。」
ユキはどうしても青いバラを使いたかった。リボンはドレスより少し明るめの緑を選んだ。
「うわぁ…キレイ…。いい香り…。」
悠輝がも持ってきたブーケ手に取りうっとりしている。
「知り合いの花やがこの花で作るの初めてだ、って言ってまして…ぜひ写真を
店頭に飾らせてください、って言ってました。」(悠輝)
「あら…そんなの私に断わる事じゃないわよねぇ…。でもステキだわ。」
ユキがドレッサーの台に置いた。その間にもヘアメイクが進む。
「これはその花やさんからのサービスですよ。」
悠輝が髪に小ぶりの青いバラを刺していく。そのバラには赤く細いリボンが結ばれていた。
「お相手の古代さんのカラーを使いました。緑に赤、映えるでしょう?」
ユキはその言葉を聞くと一気に涙が溢れてきた。悠輝は慌てて
「え…私何かまずい事いいました?」
近くにあったガーゼのハンカチをユキに渡す。
「いえ…古代くんの亡くなった親友のカラーが緑なんです。」
悠輝はピンと来た。康雄が言ってた亡くなった同期の事だと…。
「そうですか…そうと知らず…すみません。」
悠輝が素直に謝ると
「いいえ、知らないんですもの…ごめんなさい…ずっと一緒だったから…
葬儀が終わったのにやっぱり信じられなくて…。」
ユキはそう言って置いてあるティッシュで涙を抑えた。
「この色(ドレス)を見た瞬間…島くんの事、思い出しちゃって…で、コレ
選んじゃった。多分、古代くんは気付いてるはず。」
ユキは自分の明るい髪に刺さる青いバラと赤のリボンを飽きることなく見つめていた。
進とユキはシャトルバスを見送りながらエアカーに乗りバスを追い越して南部ホテルに入った。
「ユキさん、転ばないように急いでくださいね~。」
南部が笑いながら一緒に歩く。
「やっぱり先撮りしておいてよかったですね。」
南部の言葉にユキが止まった。
「どうしました?」(南部)
「あのねぇ、私聞いてなかったんだけど?」(ユキ)
「何の話ですか?」(南部)
「写真館のモデルの話!」(ユキ)
ユキが少し怒った顔をする。
「古代くんがタキシード来てるからどうして?って思ったの。タキシードで
撮影した後今度軍の士官服着てるし…」
南部が“急いで急いで”と言うので早歩きで歩き出した。
「あぁ…そう言えばユキさんが試着してる時に古代に話したんだ。すっかり
忘れてました。そうそう、いい写真が撮れた、ってカメラマンも喜んで
いましたよ。ちょうど今度の事で内装改めよう、って話だったから…
内装も新しく、写真も新しく、でちょうどいいでしょ?」
全く悪びれない南部。ユキも怒る気持ちが萎えた。
「南部くんじゃ怒れないわ。」
ユキが再び歩き出す。
「すごいいい写真でしたよ。新婚旅行から戻って来たらお渡ししますから…
待っててくださいね。」(南部)
「わかったわ。お土産と引き換えね。」
ユキもしょうがないなぁ、と笑う。
早歩きで進とユキはそれぞれの控室に入った。
「こんにちは。」
悠輝がユキを待っていた。
「すみません、今日もよろしくお願いします。」
先日、先撮りの時にお世話になったばかり。
「さぁ…こちらをどうぞ。着替えたらメイク、整えましょう。髪もUPします。」
ユキは深い緑のドレスを受け取るとそのまま別の部屋に着替えに入った
すぐに着替えは済んで慣れないドレスの裾を気にしながら出てきた。
「こんなフワフワの着た事がないから…踏んじゃったりしなかしら?」
ウェディングドレスもボリュームは少ない方だった。
「大丈夫ですよ、コツがあるんです。ブーケを持ちながらここを持つと…ほら
歩いやすいでしょう?」
悠輝が説明すると確かに歩きやすい。
「うん、大丈夫。」
ユキは先日と同じようにドレッサーの前に座ると英雄の丘でメイクしてくれた人がドレスに合わせたメイクをしてくれた。
「ユキさん、ブーケが先ほど届きましたよ。次のドレスにもよく合いますね。
少し(値段が)張っちゃったけど…大正解ですよ。」
ユキはどうしても青いバラを使いたかった。リボンはドレスより少し明るめの緑を選んだ。
「うわぁ…キレイ…。いい香り…。」
悠輝がも持ってきたブーケ手に取りうっとりしている。
「知り合いの花やがこの花で作るの初めてだ、って言ってまして…ぜひ写真を
店頭に飾らせてください、って言ってました。」(悠輝)
「あら…そんなの私に断わる事じゃないわよねぇ…。でもステキだわ。」
ユキがドレッサーの台に置いた。その間にもヘアメイクが進む。
「これはその花やさんからのサービスですよ。」
悠輝が髪に小ぶりの青いバラを刺していく。そのバラには赤く細いリボンが結ばれていた。
「お相手の古代さんのカラーを使いました。緑に赤、映えるでしょう?」
ユキはその言葉を聞くと一気に涙が溢れてきた。悠輝は慌てて
「え…私何かまずい事いいました?」
近くにあったガーゼのハンカチをユキに渡す。
「いえ…古代くんの亡くなった親友のカラーが緑なんです。」
悠輝はピンと来た。康雄が言ってた亡くなった同期の事だと…。
「そうですか…そうと知らず…すみません。」
悠輝が素直に謝ると
「いいえ、知らないんですもの…ごめんなさい…ずっと一緒だったから…
葬儀が終わったのにやっぱり信じられなくて…。」
ユキはそう言って置いてあるティッシュで涙を抑えた。
「この色(ドレス)を見た瞬間…島くんの事、思い出しちゃって…で、コレ
選んじゃった。多分、古代くんは気付いてるはず。」
ユキは自分の明るい髪に刺さる青いバラと赤のリボンを飽きることなく見つめていた。
作品名:島を想う(宇宙戦艦ヤマト完結編の後)6 作家名:kei