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階段

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「奴等はこれが仕事だしな」
クライブやナオが前戦で闘うようにシュウやクライスやジェスの役目はエインフェリア軍について決めたり、城について決めることだ。 ナオは案を聴いては採択していくのが役目である。
三階から四階への階段を上る。
「僕も人生って階段を上っているのかな?……てっぺんには何があるんだろう?」
「何もないかも知れないが、登り続けているだけじゃ見えないものもあるだろ」
上る続けている時にふと、思い浮かんだのかナオが言う。クライブはナオの言葉が不吉に聞こえた。
人間は生きていながら死んで言っているようなものだが、ナオは死んでいくスピードが速くなっているような
気がしている。てっぺんと言うのは終着の場所、終わりだという風にも聞こえた。
振り払うように浮かんだ言葉を口にする。
「珍しい」
「お前な……」
四階の途中で立ち止まると風が吹いていた。どうやら、クライブはまだナオには死んでは欲しくはないようだ。
敵であるエルザを探すために同盟軍にいるし、目的を忘れているわけではないが、ナオや同盟軍との
関わりが自分を変えているようだった。
「立ち止まってもちゃんと進まなきゃね」
「まあな。登り切って何もなかったらどうする?」
「登ったことが大事なんじゃない?成り行きとかでも」
ナオは笑っているだろう。こういう奴なのだ。何処か気楽だがちゃんと捉えているところは
捉えている。四階に着くと静かだった。住民達は眠っているのだろう。そこから五階へと昇る。
「……立ち止まりそうになったら言え…少しは手伝ってやる。成り行きでな」
「途中までね。僕は自分で上れるよ」
階段を上って、立ち止まって、上って、転がり落ちて、その繰り返しなのだろう。
ナオの部屋へと着いた。見張りの兵士に挨拶をしておく。広々とした部屋ではナナミがすでに寝ていた。
アクビをする。クライブはこれからまた階段を下りなくてはならないがこれぐらいは苦ではない。
クライブはナオをベットに降ろした。ナオは長い欠伸をして布団に潜る。
「じゃあな」
「うん。おやすみ」
「ああ……おやすみ」
クライブも部屋を出て行く。ナオのエターニア城の一日はこうして終わった。



「……どーりょくの変わりを探すって……作るんじゃないの?」
「………重労働はさせるな……」
次の日、エレベーターの張り紙を見てナオは疑問に想う。動力の変わりを探すと言っているが
作るのではないのだろうか。エレベーターの動力を知っているクライブは呆れたように言った。
どうやら、まだ楽は出来ないらしい。


【Fin】
作品名:階段 作家名:高月翡翠