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ガルマンガミラス滅亡の危機2

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  (何を食べても味を感じない…それだけ気持ちが急いているのだろうか。)

デスラーはテーブルの上に並ぶ食事の半分ほどを食べた後で気付いた。

  「すまんな、考え事をしながら食べていたら…全く味がわからず食べていた。
   慌ててもしょうがないのだが…。」

給仕の為にそばに立つリィに向かって話しかける…がそれは自分に言い聞かせる様な独り言に近い言葉だった。リィは敢えて何も言わず耳だけ傾ける。

  「一度征服しようとした星が助けを求めているかもしれないと思うといても
   たってもいられなくなるのはなぜなのか…余は自分がよく解らない。」

デスラーの言葉にタランも同調する。あの頃のデスラーならそんな事が起きよう何があろうがガミラスの事だけを考え自分の進道を迷わず行くだろう。

  「私は母星の最期を見ていません。だから無事であると祈っていますがもしも…
   もしも母星が無くなってしまったらガルマンガミラスが母星になります。
   ならば…ガルマンガミラスに万一の時私にできる事があれば何でもいたします…
   そして今の私にできるのは助けて頂いた総統に恩返しをする事…それだけで
   ございます。」

リィの“恩返し”と言う言葉がデスラーの胸を突く。


リィはここ数日デスラーを見て自分のデスラーに対するイメージと全く違う事に気付いた。今まではただ力で君臨するだけの独裁者というイメージだった、が、自分と同じように語り、笑い、迷う…普通の人だった事に気付いた。

だからついデスラーの独り言のような言葉に今のデスラーに対して思っている事を素直に言えたのかもしれない。

  「恩返し…」(デスラー)
  「父も申しておりました。総統は私達を見捨てる事無くいろいろ気を使って
   くださいました。同盟国とはいえ軍事力もかなり低い私達の星の民族の心配を
   してくださったり私達の気持ちを軽くして下さったり…感謝と言う言葉だけで
   表現できるものではありません。デスラー総統…思うままお進みください。
   私もずっと付いて行きます。」

リィはそう言葉を続けた。







  「ルダ女王にお願いがあります。」

デスラーとタランはルダに会いに宮殿に来ていた。

  「部下を…今ガルマンガミラスがどうなっているのか視察を兼ねて部下を
   向かわせたいのだが…。」

デスラーが跪きそれにタランも倣う。

  「デスラー総統、とても危険ですよ。」(ルダ)
  「承知の上です。」(デスラー)
  「私が…艦に乗りこみます。」(タラン)
  「わかりました。異次元走行でガルマンガミラスのすぐそばへ出られるように
   しましょう。滞在時間は2時間が限度です。2時間後に15分だけ異次元走行
   できる空間を開けましょう。ポイントは出口と同じ所にします。
   デスラー総統…通常空間はかなり危険な放射線の嵐となっております。
   とても危険です。もし2時間発つ前に身の危険を感じたらすぐに私へ知らせて
   ください。タラン将軍…よろしいですか?すぐにご帰還くださいませ。」

ルダの真剣な表情から通常空間がどうなっているのか想像できる。

  「わかりました。無理はしません。」

タランがそう約束すると険しかったルダの表情が少し和らいだ。

  「ご出発はいつ?」(ルダ)
  「すぐにでも…。戻ったらすぐに出かけます。」(タラン)
  「わかりました。では航海のご無事をお祈りしております。」

ルダはそう言ってペンダントを手に取り祈りをささげた。









  「デスラー艦、ガルマンガミラスへ向け発進!」

デスラーは静かにデスラー艦が出航する様子を見つめる。その横で心配そうにリィが立っている。

  「タラン様がご無事にお戻りになられますように。」

リィは小さな声でつぶやいた。

  「大丈夫だ…タランは私を置いて逝く部下ではない。何があっても戻って来る。」

小さな声だったのにデスラーに聞こえた事にリィは恥ずかしくなってしまった。

  「そなたは優しいのだな。」(デスラー)
  「いえ、そんなことはありません。ただタラン様は私にとてもよくしてください
   ます。」(リィ)
  「そうだな、タランは私にとってもなくてはならない右腕だ。必ず帰って
   来てもらわなくては困る。」

デスラーはデスラー艦が見えなくなるまで見送るとマントを翻し部屋に戻って行った。