ガルマンガミラス滅亡の危機3
<母星>
「デスラーズパレスが…」
余りの変わりように誰もが言葉を失っていた。
「なにか変った様子はないか確認せよ。」
タランが指示を出す。外気の放射線を示す数値は測定不能状態まで上がりとてもじゃないが船外に出られる状態ではない。
(もし赤色銀河が消えた後、この放射能が残るようであれば戻る事は不可能
かもしれない…)
ガミラスの放射能とまた違う明らかに人体に異常なほどの数値と観測できない放射線の種類が検出されていた。
「タラン将軍…。」
その数値に気付いた観測員が絶望した顔でタランを見上げる。
「諦めるな。我々は幾数万のガルマンガミラス人の命を預かっているんだ。」
艦橋の外を見上げるとそこにスターシァ星が見える。
(スターシァ様…我々をお守りください)
タランは観測員に視線を変えると放射能以外で何か変わった事はないか調べ始めた。
(ヤマトが…ここへ来たかもしれない…でもこの様子を見て絶望と思ったかも
しれない。)
すでにガルマンガミラスに到着して1時間が経過していた。デスラー艦から艦載機に乗り換え母星の隅々を見るよう、クルーは忙しく動いていた。
「タラン将軍。」
一人の観測員が放射能を洗浄したものを持って艦橋に戻って来た。
「これは我がガルマンガミラスの物ではないと思われます。」
そう言って差し出されたのは茶色く変色した植物のようなものだった。
「これは…なんだ?」(タラン)
「わかりません。探査機がこれに反応しましたので拾って来ました。
パレスから少し離れた所に数本落ちていました。恐らくガルマンガミラス星
の物でないので探査機も反応したのでしょう。」
観測員が不思議そうに地図にしるしを付け場所を伝える。
「わかった。下がってよろしい。」
タランはイスカンダル人が墓標に向かい花を手向ける習性がある事を思い出した。
(地球もか?)
時間を見るともうすぐ約束の2時間を迎えようとしていた。
「艦載機は全機戻っているか?」
タランが確認するとすでに確認が済んでいるのか通信士から“全機収納”と返事があった。
「これを…シャルバートに戻ったら復元できるか聞いてみよう。」(タラン)
地上付近にいたデスラー艦は静かに浮上し出てきた異次元空間の出口に入り再びシャルバートに戻って行った。
「ご苦労だった。」
デスラーがタランを労う。
「ただ今戻りました。すみません、先にルダ女王に報告して参りました。」(タラン)
「よい、我が母星はどうだった?」(デスラー)
「はい、多数の測定不能の放射能の嵐…とても人の住める状態ではないように
なっていました。」
タランが映像を出す。
「そうか…。」(デスラー)
デスラーはデスラーズパレスがひしゃげてしまった映像を見ながらつぶやくように返事をした。
「この先赤色銀河が去った後放射能が除去されるのであれば戻れると思いますが
今の状態ですと有害な放射能を全て消し去れると思えません。」
タランは未知の観測不能な放射能のレベルを示していたカウンターもデスラーに見せた。せっかく見つけた母星を再び失う事になるのか…デスラーはガルマンガミラスの映像を切った。
「これは?」
報告の最後にタランは放射能除去済みの変色した植物を一本デスラーに手渡した。
「これを揚羽様がみて地球の花だと申しておりました。」
タランがデスラーに報告する。しばらくするとタランの部下が入って来てタランに耳元でなにやら報告している。
「デスラー総統、その花の復元に成功したと、報告がございました。
今、こちらに向かっているそうなので私が取って参ります。少々お待ち
ください。」
タランはそう言うとデスラーの執務室を出た。
(これが地球の花、とすると…やはり古代が…ヤマトが来たのか?)
しばらくしてタランが息を切らせて戻って来た。手には白い花が握られている。
「美しい花だな。まるでユキのようだ。」(デスラー)
「これは地球のバラと言う花だそうです。」
タランはそう言ってデスラーに手渡す。
「美しい…気品のある花だ…。」
デスラーは満足そうに見入る。バラは3本ほど復元に成功していた。
「デスラーズパレスが…」
余りの変わりように誰もが言葉を失っていた。
「なにか変った様子はないか確認せよ。」
タランが指示を出す。外気の放射線を示す数値は測定不能状態まで上がりとてもじゃないが船外に出られる状態ではない。
(もし赤色銀河が消えた後、この放射能が残るようであれば戻る事は不可能
かもしれない…)
ガミラスの放射能とまた違う明らかに人体に異常なほどの数値と観測できない放射線の種類が検出されていた。
「タラン将軍…。」
その数値に気付いた観測員が絶望した顔でタランを見上げる。
「諦めるな。我々は幾数万のガルマンガミラス人の命を預かっているんだ。」
艦橋の外を見上げるとそこにスターシァ星が見える。
(スターシァ様…我々をお守りください)
タランは観測員に視線を変えると放射能以外で何か変わった事はないか調べ始めた。
(ヤマトが…ここへ来たかもしれない…でもこの様子を見て絶望と思ったかも
しれない。)
すでにガルマンガミラスに到着して1時間が経過していた。デスラー艦から艦載機に乗り換え母星の隅々を見るよう、クルーは忙しく動いていた。
「タラン将軍。」
一人の観測員が放射能を洗浄したものを持って艦橋に戻って来た。
「これは我がガルマンガミラスの物ではないと思われます。」
そう言って差し出されたのは茶色く変色した植物のようなものだった。
「これは…なんだ?」(タラン)
「わかりません。探査機がこれに反応しましたので拾って来ました。
パレスから少し離れた所に数本落ちていました。恐らくガルマンガミラス星
の物でないので探査機も反応したのでしょう。」
観測員が不思議そうに地図にしるしを付け場所を伝える。
「わかった。下がってよろしい。」
タランはイスカンダル人が墓標に向かい花を手向ける習性がある事を思い出した。
(地球もか?)
時間を見るともうすぐ約束の2時間を迎えようとしていた。
「艦載機は全機戻っているか?」
タランが確認するとすでに確認が済んでいるのか通信士から“全機収納”と返事があった。
「これを…シャルバートに戻ったら復元できるか聞いてみよう。」(タラン)
地上付近にいたデスラー艦は静かに浮上し出てきた異次元空間の出口に入り再びシャルバートに戻って行った。
「ご苦労だった。」
デスラーがタランを労う。
「ただ今戻りました。すみません、先にルダ女王に報告して参りました。」(タラン)
「よい、我が母星はどうだった?」(デスラー)
「はい、多数の測定不能の放射能の嵐…とても人の住める状態ではないように
なっていました。」
タランが映像を出す。
「そうか…。」(デスラー)
デスラーはデスラーズパレスがひしゃげてしまった映像を見ながらつぶやくように返事をした。
「この先赤色銀河が去った後放射能が除去されるのであれば戻れると思いますが
今の状態ですと有害な放射能を全て消し去れると思えません。」
タランは未知の観測不能な放射能のレベルを示していたカウンターもデスラーに見せた。せっかく見つけた母星を再び失う事になるのか…デスラーはガルマンガミラスの映像を切った。
「これは?」
報告の最後にタランは放射能除去済みの変色した植物を一本デスラーに手渡した。
「これを揚羽様がみて地球の花だと申しておりました。」
タランがデスラーに報告する。しばらくするとタランの部下が入って来てタランに耳元でなにやら報告している。
「デスラー総統、その花の復元に成功したと、報告がございました。
今、こちらに向かっているそうなので私が取って参ります。少々お待ち
ください。」
タランはそう言うとデスラーの執務室を出た。
(これが地球の花、とすると…やはり古代が…ヤマトが来たのか?)
しばらくしてタランが息を切らせて戻って来た。手には白い花が握られている。
「美しい花だな。まるでユキのようだ。」(デスラー)
「これは地球のバラと言う花だそうです。」
タランはそう言ってデスラーに手渡す。
「美しい…気品のある花だ…。」
デスラーは満足そうに見入る。バラは3本ほど復元に成功していた。
作品名:ガルマンガミラス滅亡の危機3 作家名:kei