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ガルマンガミラス滅亡の危機5

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どれほどの時間が経ったのだろうか?リィはふと目を覚ました。

  (なんだかふわふわしてる…気持ちいい…)

目を覚ましたくない…なんとなくそんな考えが頭をよぎる。

  (お母様の様子を見に行かないと…)

眼を開いたリィの視界に見慣れない景色が見える。

  (どこ?ここ…家じゃない?)

リィはもう一度眼を閉じて考えた。

  (私…そうだ、父の伝言を預かってパレスに来ていたんだわ…)

リィの眼が開く。

  (エアカーの中で…そうだわ、追われててとても怖かったんだ)

それからデスラーの執務室へ向かって…と今日の事を考えていたらふと自分の手を握るぬくもりを感じた。

  「起きたかね?」

聞きなれた低く響く声(伊武さんの声をご想像下さい)。リィは驚いて起き上がろうとした。

  「よい、そのままで…。タランから聞いた。大変だったと…。」

リィはその時の怖かった気持ちがその手のぬくもりで無くなって行くのが分かった。

  (あぁ…やっぱり総統がそばにいると安心する…)

リィのそっと閉じた眼から一筋の涙が流れる。

  「大丈夫かね?」

デスラーが心配そうに尋ねるとリィは静かに頷いた。

  「そうか…よかった。」

先程の様に取り乱すような泣き方ではないのでデスラーも安心しての涙だろうと思いそれ以上深く追求する事はしなかった。




  「すみません、いつの間にか眠ってしまったみたいで…。」

リィはいくら安心したとはいえ男性の部屋で寝てしまった事が恥ずかしかった。

  「よい、余だったからで、あろう?」

デスラーの問いにリィが恥ずかしそうに頷く。

  「そなたの部屋の荷物は余の部屋に運んだから今日から余の部屋がそなたの
   部屋だ。」

リィはデスラーの言葉に驚いてガバっと起き上がった。

  「なにか問題があるか?」

デスラーは静かにリィに問いかける。リィは“問題だらけ!”と言いたかったが驚きすぎて声にならず首を縦に振るだけ。

  「聞けば誰かから追われた、と…。余の傍にいれば余も余計な心配をしなくて
   済む…。よいな?」

リィは頷く事が出来ない。

  「ルイサー殿はガルマンガミラスの市民になると宣言した。そなたはもう
   ガルマンガミラスの一員…強制する事もできるが…余はそなたに命令を
   したくない。」

デスラーの言葉に以前の話を思い出す。

  「かつて余の愛した女性は強い女性だった。護るものが大きすぎてそれゆえに
   命を落としてしまった。そなたは普通の女性…そのままでいてほしい。
   そして常に余の傍のそばにいてくれればよい。」

デスラーはじっとリィを眼を見ている。

  「そなたに命令する事があるとすれば余より先に死んではいけない、という
   事ぐらいであろうか…。」

ふとデスラーが寂しそうに笑う。

  「さぁ夕食ができているであろう…今日から余の部屋で食事を摂る事に
   した。さぁ参ろうか…。」

デスラーが立ち上がるとリィの手を取り立たせ執務室を後にした。