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ガルマンガミラス滅亡の危機5

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  「総統?」

デスラーが執務室から静かに出てきて会議室に入って来た。そこにタランとサランがいると護衛兵に聞いてやってきたのだ。

  「どうされました?」

タランが右手を挙げて敬礼しながら聞いた。デスラーも右手を挙げるとふたりは静かに手を下げた。

  「リィ殿はよほど疲れていたらしく寝てしまった。」

そういうデスラーの顔はとても穏やかでタランは見た事がない、と思った。

  「さようでございますか。総統の顔を見て安心されたのではございませんか?」

タランの言葉にデスラーは笑顔で返す。タランとサランはふたりがうまく行った事をそれで感じた。

  「総統、ラージベルより報告が上がっております。」

タランの顔が変わったのでデスラーも気を引き締める。

  「リィ様の館から出た後追ってくる者がいた、との事でございます。リィ様は
   ご両親の事もございますがその事でかなり心労が増した様子で…。」

デスラーは最初のリィの涙の意味が分かった。余程恐ろしかったのだろう。

  「リィ様の乗るエアカーを運転していたのがフィールで何とか振り切る事が
   できたそうですが…。」(タラン)
  「総統、リィ様のご様子を見て来てよろしいですか?」

サランは誰も入らないと思うがリィをひとりにしておくのは危険だと思った。

  「サラン、すまないが頼む。ソファーで眠っている。」

デスラーの言葉にサランは立ち上がると深く頭を下げて会議室を出て執務室へ向かった。







  「さて…リィ殿を追っていたのは誰なのか分かっているのか?」(デスラー)
  「いえ、フィールは運転に集中しラージベルはリィ様をお守りしてたとの事…
   相手を特定する事は難しいと。しかしパレスには同盟国の関係者の娘が多数、
   出入りしております。だれもがデスラー総統の妃を狙っておいでです。
   正妻でなくても、という侍従もいるそうです。」

デスラーは下世話な…と思いながら話を聞いていた。

  「そこで総統の護衛をしている者を数名、リィ様の護衛にと思っております。
   ご心配であれば執務室にいて頂くのが一番ですが。」

タランはそう言いつつも執務で忙しい総統はリィの相手などできないかもしれない、と思った。

  「それと今までリィ様がしていた侍従の仕事を誰に任せるか、というのも
   ありまして…そこはサランと相談したのですがルイサー様の侍従がひとり
   リィ様と一緒にこちらにいらしています。その者を、と思っておりますが
   いかがでしょうか。」

そうすればリィの寂しさも紛れるかもしれないとタランは言いたかった。

  「そうか…リィ殿の変わりの侍従はタランに任せよう。しかしこれから移住の
   事もあり忙しくなる…。リィ殿が寂しい思いをしないか心配だ。」

妃候補とあれば侍従部屋に居させるわけに行かない。かといってルイサーの家に戻す事など全く考えていない。

  「サランにリィ殿の荷物を全部余の私室に運ぶよう伝えよ。」

デスラーがタランに指示を出す。

  「全部、でございますか?」(タラン)
  「さよう…リィを襲った人物が特定できないのに不特定多数の侍従がいる所に
   リィを置いておくわけに行かない。」

デスラーが初めて“リィ”と呼び捨てにした。

  「かしこまりました。今日中に運び込むよう、後でサランに伝えます。」

タランは右手を挙げてホッとした顔をした。