ダンガンロンパ・ファンタジック/リロード-Chapt.1-1
デパートの1階。ここは食品売場だ。
「せっかくですし、明日皆でクッキー作るとかどうですか?」
「クッキー焼けるの?」
「食堂の隣のキッチンに設備は整ってたんで、余裕で出来ると思います」
学生宿舎の食堂の隣には、高級料理店の厨房並みの設備が整っているキッチンがある。
そんな設備で作るのだから、きっとそれだけでも少し美味しくなると思っての、香の提案。
「材料は私買っておくんで、やりましょうよ。何事も経験です」
「いいよー、下手かもしんないけど調合は得意だし」
「わたしも、やって……みる」
「きまり!それじゃあ材料買いますねー」
と、クッキー作りの話が決まったとき、
「あ、牧園さんだー」
「あれ、香じゃん?どしたの?」
「あ、骸さんも一緒なんですね」
「付き合いってやつだ」
という骸に
「裸の?」
ここで、ちょっと思わせぶりに理科がそう振ってみた。
「え、理科さん何を…」
香は苦笑いだ!
「え、あちょ!?そんなんじゃないから!?」
しかし牧園は不意の事に慌てている!
「……理科さん、人が……悪い」
イティアは何故か冷静だ!
そして骸は無言ながら少し顔が赤い!
「変な想像させんなこらー!」
結果、慌てて真っ赤な牧園からのビンタが理科に決まった。
「いったー;」
"グラビアアイドル"である以外はごく一般人の牧園のビンタは
そこまでの痛みはないものの、理科の顔に手形の一部を作るくらいには綺麗に決まった。
「これは……」
「自業、自得」
香もイティアも、牧園さんドンマイ、といった目でこの状況を見たのだった。
それはともかく。クッキー作りをやる話をすると、
「あ、クッキー作りやんの?私も混ぜて!ってか皆でやろうよクッキー作り!」
「あ、それいいですねー。皆に後でSNSで聞いてみますか」
「女子会っていいよね女子会って」
「ここに居る人、3分の2以上女子ですけどね……;」
そうして、牧園と骸も巻き込んで、5人で買い物を楽しんだ香達は、
夕方に学生宿舎に戻り、霊が作ったヘルシー料理を頂き、
満足げに眠りに落ちた。
まるで、あんな動機のビデオに惑わされるわけがない、とでも言いたげに安らかに。
……しかし、着実に香達はある方向に誘導されていたことを、
彼女達はまだ知る由もない。
作品名:ダンガンロンパ・ファンタジック/リロード-Chapt.1-1 作家名:暗妖



