ダンガンロンパ・ファンタジック/リロード-Chapt.1-1
『第1回職員会議』
モノクマ劇場と同じタイミングで、生徒が寝静まった頃に行われるのが、
先生と学園長だけが参加できる『職員会議』。
いつも違う議題で話がされるようですが、今回は果たして……?
「ふぅー」
学園長・妖が一息ついたところで、
「学園長も大変だな、どうだ?お茶」
日向が皆にお茶を配る。
「もらうー。」
ずずずとお茶を飲み、はぁとため息をついて、
「ねーねーところでさー、監視時々変わってー?」
妖はそう言ってきた。
「そう言えば、学園長寝てないのよね」
霧切がふとそんなことを思い出す。
学園長は学園内の全ての監視カメラのモニターを確認している。
それはいつものこと。しかし、その数は100をゆうに超えるのである。
地味に……物凄く大変な仕事だったりする。
それは、絶望的に何でもできる"あの人"だから普通にできることであって、
そうでない妖にはなかなか荷が重い仕事のようだ。
「うん、今日で二徹ー。そろそろしんどいかなー」
ふああと欠伸をしつつ眠そうな妖に、
「……モノミちゃん使ったらどうかな?」
と七海が提案する。すると、
「あちしウサミでちゅよーーー!
七海ちゃん貴方が間違えるのはいろんな意味でアウトでちゅー!」
とモノミ……もといウサミ登場。
「ああ、ウサミかー。ただ表に出すとどう考えてもモノクマの仲間扱いされちゃうから
裏方だけお願いしてもらおうと思ってたし、そうしようかな」
「学園長完全にスルーだし!
っていうかええー!あちしそんなに信用ないんでちゅか!?」
ガーンという表情が判りやすいウサミに、
「前の経験、だと……思うよ?」
七海が地味な追い打ち。
「モノクマが完全に消えたわけでもないし、
ウサミを前に出すのはちょっとリスキーだと思うんだよな」
そう。
"前の経験"で、ウサミとモノクマを勝負させることには大分抵抗がある日向もいる。
「うう……確かに、不意を打たれでもしたら確信をもって勝てるとは言えないでちゅが……」
「それに、ウサミちゃん、これはあくまでも"コロシアイ学園生活"なんだよ?
ウサミちゃんの望む展開にはならないんじゃないかな」
そして七海がそう指摘すると、
「……確かに、あちしが出る幕は無さそうでちゅね。悲しいけど」
ウサミは涙を流しながらそう認めるしかないのだった。
「大丈夫。ウサミにやってもらいたい事は色々あるよ。
ちょっと見張りは無理なんだけど、他の事がいっぱい」
「ほんとでちゅか?」
「"縁の下の力持ち"っていう役は必要なの。
ウサミちゃんは、そういう役割を受け持ってくれないかな?」
「見えないところで皆をサポートするんでちゅね!」
「そう。それならウサミちゃんの性にも合うだろうし」
「でも、それなら見張りはどうするの?」
朝日奈がそう言えばそう言う話だったと思いだし、
「夜のみ日向先生・七海先生組と
それ以外の3人の交代でお願いできる?
でも、事件おきそうな時は起こして。一徹くらいならする」
結局こういう事になった。
「あー、あとそうそう。
モノクマが出没したら即私に報告すること。
で、動機渡したからそろそろ生徒も動くはずだよ、
そっちも、気にはしておいて」
「問題なく進行してくれればいいのだけど……」
「……そこは、あの16人次第。私達は時を待つのみだよ」
不安に思う霧切を、妖はそう言って諭すのだった。
作品名:ダンガンロンパ・ファンタジック/リロード-Chapt.1-1 作家名:暗妖