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機動戦士ガンダムSEED DESTINY~Flugel~

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今まで砲撃を中止していた無数のイージス艦から一斉にミサイルが飛び出す。

その弾道は、まごうことなくカガリのストライクルージュに向かっていく。

「な…に…」

ロックオンのアラートが鳴り響くコックピット内で、カガリはただ茫然と呟く。
自分へと向かってくるミサイルへの迎撃すら出来ず、ただ見つめることしかできなかった。

そんなカガリを庇うようにフリーダムが前に出る。
すべての武装を展開し、フルバーストモードにてミサイルを全弾撃ち落とした。

そんな様子をみて、トダカは小さく息をつく。

「ふう…」

「トダカ一佐…」

「あぁ…な、なにしてるんだ!次を撃つんだよっ!!」

「ご覧になったでしょう、相手にはフリーダムがいるのです。そうやみくもに撃ってもあたりません」

「くぅっ…」


タケミカズチ艦内でそんなやりとりをしている頃、地球軍艦から3機のモビルスーツが発進した。

カオス、アビス、ガイア。

3機共にアーモリーワンから強奪された機体であり、今はファントムペイン所属の強化人間、通称エクステンデッドが乗り込んでいる。

カオスに乗るのはスティング・オークレー
モビルアーマーへの変形が可能で高い機動力を持ち、機動兵装ポッドによる攻撃でオールレンジ攻撃が可能となっている。

アビスを操縦するのはアウル・ニーダ
モビルアーマー状態に変形することで水中での機動性が高まり、海中では他のモビルスーツの追随を許さない。

ガイアを駆るのはステラ・ルーシェ
この機体もモビルアーマーへの変形が可能であり、変形すると四足歩行になる。このとき背面に展開されるビームブレードが大きな特徴である。

3機が発進し、続いてウインダムが無数に飛び立つ。
その様子を見届けながらネオは号令を飛ばす。

「よーし、奇妙な乱入で混乱したが幸い状況はこちらに有利だ。
 手負いのミネルバ、今日こそ落とすぞ!」


地球軍側の動きを察知したミネルバではモビルスーツ隊への出撃命令が下る。

「アーサー迎撃!メイリン、モビルスーツ隊全機発進させて!」

「「はい!!」」

アーサーとメイリンの返事が重なる。
そんなミネルバの上空よりカオス率いるモビルスーツ隊が迫りくる。
そして水中から攻めくるのはアビス。
魚雷を撃ち出し、守りの薄い船底を襲う。

「くっそぉ!やらせるかっ!」

「ちぃ…!」

シンがウインダムを撃ち落とし、アスランがビームライフルでカオスを牽制する。

「ああん?なんだこの赤いの」

「この動き、ただのナチュラルじゃない…?まさか…」

「はっ!まずお前から落としてやるよっ!」

カオスの高機動ポットが射出され、セイバーを狙う。
オールレンジ攻撃に加え、ウインダムからの援護射撃も飛んでくる。
セイバーは距離を取るためにモビルアーマーに変形し、上空へと飛び上がった。

「ちっ!ちょこまか逃げてんじゃねぇ!」

苛立たしげに叫ぶスティングは執拗にセイバーを狙う。

(よし。このまま注意を引きつける)

セイバーは上空から急降下しカオスにギリギリまで接近して横をすり抜けカオスの体勢を崩す。
そしてその慣性を残したまま付近のウインダムのビームライフルやバックパックを狙い3機を戦闘不能にする。

「なんだ、こいつ…強い!はっ上等っ!」

カオスは体勢を立て直し、再びセイバーを追いかけた。



カオスとセイバーから少し離れた地点では、海中からインパルスを狙いアビスが3連装ビーム砲を放つ。

「今日こそ落ちろっ!この野郎っ!!」

「くっ!くそっ!」

反撃をしようと銃口を向けるが、アビスはいち早く水中へと身を隠す。
ヒットアンドアウェイ。水中に特化した性能を出せるアビスならではの戦闘である。

「駄目だ、このままじゃ埒があかない…!」


ミネルバ艦上ではガナーザクとブレイズザクがそれぞれウインダムを迎撃をする。
また、ハイネのグフはガイアと戦闘を繰り広げていた。
ガイアは大気圏内での自立飛行機能を有さないため、直接ミネルバに接近することはできないが、高台からモビルアーマー形態にて砲撃支援をしていた。
そこに気付いたハイネがガイアに迫る。

グフの接近に気付いたガイアがビーム突撃砲で迎撃する。
そのビームをかわし、近づいたグフは腕からスレイヤーウィップを伸ばしガイアに叩きつける。

「いやあああっ!」

スレイヤーウィップは高周波パルスを発生させる事ができ、機体に命中した場合に電流が流れパイロットにもダメージを与えることが可能な兵装である。
その怯んだ隙を見逃さず、再びウィップを振るう。
今度は反応してかわし、後退してモビルスーツ形態に戻るガイアであったが、それすら先読みしていたグフのウィップにビームライフルを絡めとられ破壊されてしまう。

「ザクとは違うんだよ。ザクとはっ!!」

「くっ…お前えええっ!」

ビームライフルを失ったガイアは腰にマウントされていたビームサーベルを展開し、グフへと横薙に斬りかかる。
その斬撃を体勢を低くすることでグフはかわす。
そのままガイアへとタックルするように突っ込み、シールドにマウントされているビームソードを展開してガイアの右手を肩口から両断した。

「ああああっ!」

「これで終わりだっ!」

グフが止めを刺そうとした瞬間、駆けつけたウインダムがグフに向かってビームライフルを撃つ。

「ちぃ!邪魔を…!」

ガイアの破損状態を確認した地球軍艦からネオがステラに呼び掛ける。

「ステラ!もういい、撤退しろ!」

「ネオ…!ネオ…!」

そのままガイアはウインダムに援護されながら戦闘域から脱した。

「仕留めそこなったが…まぁいい。それよりミネルバだ」

ハイネも深追いすることなく、ミネルバへの援護に戻っていった。


地球軍の猛攻を目の当たりにしたタケミカズチ艦内では、ユウナが我に返ったように命令を下す。

「さ、さあこっちもモビルスーツ隊に攻撃させて!ほら!
 ミネルバを撃つんだよ、また言われちゃうじゃないか!ウチは地球軍なんだよ!?
 それからあの船、アークエンジェルも!我が国混乱の最大の原因でしょう!だから一緒に撃つんだよっ!…あの仮面男にも、ちょっとはいいとこみせないとマズイでしょ…!」

トダカにも反論したい気持ちはもちろんある。
だが自分は軍人であり相手は上官。ならばその命令がいくら承服しがたい内容であったとしてもそれに異見するわけにはいかない。
怒りに震える拳を握りながら通信管制官に攻撃命令を伝えるように促す。

《オーブ軍各モビルスーツ隊は地球軍と共にミネルバへの攻撃を再開せよ。あれはカガリ様ではない。繰り返すあれはカガリ様ではない》

「カガリ様では…ない?」
「偽物?」

オーブ軍パイロットの間に動揺が走るが、命令とあれば動くしかない。
ムラサメとアストレイは再び、ミネルバとアークエンジェル隊に攻撃をしかける。


再び動きだした戦場に、必死なカガリの呼びかけが響くがもはや止まる者はいない。
その状況を今まで見つめていたキラがカガリに告げる。

「カガリ、もう駄目だ」

「!?」

「残念だけど、もうどうしようもないみたいだ…。