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機動戦士ガンダムSEED DESTINY~Flugel~

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まず反応を示したのは今まで注意深く観察していたネオだった。
通信用の受話器を取り、タケミカズチへと通信を入れる。

「ユウナ・ロマ・セラン。これはどういうことです?」

「あ、あぁ…いやこれは…」

「あれはなんです?本当に貴国の代表ですか?
 ならばなぜ今頃になって、あんなものに乗って現れて軍を引けなどというのです?
 これは今すぐきっちりお答えいただかないと、お国元をも含めて、いろいろとめんどうな事になりそうですが?」

「え、あ、いや…だからあれは…ええいっ!
 あんなもの!私は知らない!」

そう言うとユウナは通信を切った。

「ユウナ様!何を仰います!あれはストライクルージュ、あの紋章もカガリ様のものです!」

「だ、だからといってなんでカガリが乗っている事になる!?そんなのわからないじゃないか!」

「しかし、あのお声は…」

「に、偽物だっ!あんなのは…っ、ボクにはわかる。お、夫なんだぞボクは!」

「ユウナ様っ!」

「で、でなきゃ…。! あ、操られてるんだ!ちゃんとしたボクのカガリならこんな馬鹿げた…ボクに恥をかかせるような事をするハズがないだろう!
 何をしているさっさと撃て!バカ者っ!あの疫病神の船を撃つんだよっ!合戦用意っ!」

「あなたという方は…」

「でなきゃこっちが地球軍に撃たれるっ!
 国もっ!ボクらはオーブの為に来たんだぞ!それを今更、ハイやめます、で済むかっ!!」


ミネルバ艦内でも状況が飲み込めず、下手に動けないでいた。
痺れを切らしたアーサーが問いかける。

「艦長、あの…」

「いいからちょっと待って!本艦は今一番不利な状況なのよ。
 全く、なにがどうなっているんだか…。まさかこのままオーブが引くなんてことは…」

タリアが今後について考えていると、モニターにハイネから通信が入る。

「艦長、動きがあったらこっちも出ますよ。いいですね?」

「ええ、お願い」

タリアは微笑しつつ返答した。
こういった混乱の中で、自分以外の人間が冷静に動いてくれる事の意味合いは大きい。
ましてや現状ではミネルバの被害が一番大きいのである。
この後オーブがどう動くか。それによって対処も変わってくる。
これ以上事態が悪化しないことを祈りつつ、タリアはオーブの動きを待った。

そして同じころ、タケミカズチ艦内では艦長のトダカが命令を下した。

「ミサイル照準、敵アンノウンモビルスーツ!」

「ト、トダカ一佐!?」

「我らを惑わす、賊軍を討つ!」

目標はどう考えても本物のカガリである。
それでも尚、トダカは撃つという。
しかしその瞳には敵意ではなく、むしろ信頼の色が見て取れた。

(頼むぞ フリーダム)

「撃てえええぇぇぇっ!!」