敵中横断二九六千光年1 セントエルモの灯
――と、いったところで第一部終了です。ここまでお読みくださいまして、どうもありがとうございました。
さて、おそらく今あなたは、『すごいぞ。これをコピペして、全部自分が書いたことにしてやろう』と思っているところでしょう。ごまかそうとしてもダメです。あなたの気持ち悪い顔にハッキリそう書いてあるのが、ウェブカメラを使って見ている私のPCにあなたのIPアドレス付きで保存させてもらっています。
というのは嘘ですが、これまでにこれを読んだ者みんながそう考えたんですから、あなたが初の例外だなんて言っても信じられませんね。
あなたが今読み終えたこの『敵中 第一部』は、2014年1月14日に投稿を始め、八ヶ月後の9月13日に前のページを更新してひとまずの終了となりました。その時点でのアクセス総数はタッタの743。日に三人の割合でしかこれを開けなかったのです。
その後は長らく日にひとりも開けるかどうかという状態が続いてましたが、私がこの文を書いている2020年1月現在、どういうわけか、このサイトのトップページにランクされたり落ちたりしている。これはどういうことでしょう。ここまで読んだあなたには、心当たりがあるんじゃないすか。
てわけで、違うフリしてもダメです。この作品は六年かけて水面下で広がりまして、あなたのようなボウフラが、日本じゅうのドブの中に何千匹もウヨウヨしている。あなたは一匹のボウフラだから、まわりにせいぜい十匹くらいの同類の影が見える程度でそれが全部だと思ってるかもしれませんが、実は一万と一匹目です。この作品は他のサイトにも同じものを出していてそこでもボウフラが集まりましたし、既にコピペを自分が書いたものとして他所に出した者がいて、私の作とは知らずに読んでいるのが何千もいます。
その合計が一万人。あなたは10,001人目ですが、しかしそんなの嘘だと信じたいでしょう。なら、いいですよ。やったらんさい。私としてはむしろあなたにこれを盗んでくれてほしい。どうせ失敗するに決まっているんだから。
けれども、しかし大丈夫です。普通、盗用と言ったらば、誰かに通報されることで失敗するわけですが、この作品に関する限りその心配は無用です。通報によって発覚することだけは絶対にない。だからあなたの名前や住所が暴かれ世に晒されることもない。そのおそれはありませんので失敗してもへいちゃらぴー。
今までにやってしくじった連中も、そんなことにはなってないのであなたもまた大丈夫。だって読む者みんながみんな、あなたと同じボウフラだもの。『すごいぞ。これをコピペして、全部自分が書いたことにしてやろう』と、あなたと同じに考えるだけなんですから。
あなたがやってたとえ千人が読んだとしても、その千人がすべて盗用を企むのなら成功しない。今までにこれを盗んだ者達は、それがゆえに失敗しました。
また、その千人の中には実は百人くらい、本当の作者は私だと知ってる者がいるんですが、その彼らも黙っています。『まずいぞ。また島田の『ヤマト』を盗むやつが出ちまった。もしもこいつが西崎彰司の知るところになったりしたら、おれの夢もおしまいだ。どうか広まりませんように』と考えるので、通報など絶対しません。ために盗んだ者達みんな、己の素性を暴かれずに済んでいます。
ですからどうぞ安心して、あなたもお盗みなさってください。これのコピペをあなたが書いたものとして、別のところに出すのです。私としてはこの作に、『読んだ誰もが盗用を企み、実際にやった者が何人も出た』という評判が欲しい。だからあなたが盗んでくれるの大歓迎なんですよ。さあやれ! 今やらなくてどうする!
イスカンダルまで全部私が書いて出すのを待つ気でいるわけ? そんなの一体何年後だと思うんですか。私はもともと『ヤマト』なんかどうでもよくて、他所に出してる私のオリジナル小説を売る目的でやってんだから、続きなんか書きませんよ。
だから完結を待つのは無駄。てわけで、横の〈プロフィール〉から〈HP〉の欄に置いたアドレスを押してリンクをたどってください。盗むのならばこの『敵中』よりもっといいものを見ることができます。
やっぱり、もう、既に盗んでいるやつが何人もいるみたいだけどね。大体、あなた、今頃これを読んでる時点で遅えんだよ。もう何千にも知られてるのがわからないなら頭悪いよ。バカだろ、お前。
これまではこいつを盗んだ者がいても誰も通報しなかったけど、それは今までがそうだっただけ。もし私がこの『敵中』を全部完結させたものを明日ここに出し、あなたがそれをコピペする最初のひとりになったとしましょう。そしてネットに出したなら、西崎彰司がすぐそれ読んで「すごいぞーっ!!」なんて言ったとする。
それで成功は成功ですが、ただ一日だけのことです。翌日には千人が「本当の作者は島田だ」と叫んで犯人捜しがされる。あなたはたちまち素性を暴かれ、名と住所とその気持ちの悪い顔を世間に晒されるわけだ。
それがわからないのならお前、ほんとに頭悪いよ。盗用犯にそれ以外の末路はないからあなたには必ず首を吊ってもらいますが、でもやっぱりわからないだろうな。そうは絶対にならないと信じる心を持つだけなんでしょ。アニメの主人公みたいにさ。ならせいぜいいつまでも、そうして盗みを企んでいれば?
作品名:敵中横断二九六千光年1 セントエルモの灯 作家名:島田信之