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銀魂 −アインクラッド篇−

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そして、攻撃力特化型の連撃の弱点であるそのスピードの遅さを付け込んでもう一度、キリトの身体を一刀両断しようと試みた!

「最期の最期でもったいないなっ!でも本当の本当にこれで最後っ!さようならっ!!キリトくんっ!!」
「ぁぁぁああああ゛あ゛あ゛ア゛ア゛ア゛――――ッッッ!!!!」

その瞬間、キリトとレフティの剣がぶつかりあう。
いや、違う!

「えっ・・・・そんなっ・・・」

剣を!相手の剣を受け流すッ!!
まともにやり合えば折られるッ!!受け流しつつ懐へと入れるッ!!

一連撃目が命中する。キリトの剣の刀身が青白く光り彼女の身体を斬り刻む。

右、左、右!止めるなッ!出し続けろッ!

二撃、三撃、四撃ッ!

もっとだッ!喰らい続けるんだッ!!
叩く度に身体が壊れそうになるッ!右手と左手の感覚が無くなりそうだッ!だけど構わないッ!!
これで彼女を倒すことが出来るのならッ!!

「いっ!?・・きゃあっ!・・・うそ、うそうそうそっ!止まってっ!止まってよぉっ!!」

止めるなッ!打ち続けるんだッ!
今更慈悲の心なんていらないッ!!ここで倒さなくては他の人たちにまで被害が及ぶッ!!
彼女を許すなッ!!ここで終わらせるんだッ!!

ガキンっ!と、残りの五連撃を前にキリトの剣は止められる。彼女は両手でそれを止めた。それは、レフティの最期の抵抗でもあった!

「ざっ・・・ざんねんだったねっ・・・だけどこれ以上はむりっ!また私に『両手』を使わせたんだからっ!」
「――――ッ!!?」

ここまで喰らいついても止められるのかッ!?
一体どれだけ叩けば終わらせてくれるんだッ!!

いや・・・まだだッ!まだ終わってないッ!!
両手がなんだっ!手が一本増えただけじゃないかっ!
もがけッ!もがき続けろッ!!俺はまだ自分の力を全て出し切れていないッッッ!!!!


「えっ・・・刀身がっ・・・赤くっ!?」


キリトの左右の剣の刀身が青白から真っ赤な色へと光を変え、両手を用いてガードしていたレフティの剣が限界を迎え、キリトの剣が噛み砕くようにそれを破壊する!

最期の最期までっ!!!!打ち続けろォォォォォオオオ――――ッッッ!!!!
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛――――ッッッッ!!!!!!!!」

音速を超えた『神速』
太陽コロナのごとく全方向から噴き出した剣尖が神速でレフティへと殺到する。
ほぼ同時に打ち込まれた二十六連撃―――。

「ガア゛――――ッ!!?」

最期の一撃が、右手が止まってしまった。
動かない。いくら動かそうとしても右手が動いてくれない。
身体がスキルに追いついていない。
だが、その右手に彼女の『右手』が差しのべられた。

「・・・アスナッ・・・!?」
「いくよ・・・キリト君・・・一緒に・・・・っ!」

「「ハアァァァァァァァァァアアアアアッッッ!!!!!!」」

「そっ・・・そんなっ・・・っ!!?」

レフティの胸に最期の一撃が突き刺さる―――――。

この命のやり取りの最中で、キリトは二十七連撃の二刀流最上位剣技を会得した。

「『ジ・イクリプス』・・・・これが、俺の最期の・・・力だ」



終わった。
レフティのHPバーはすでに『0』。
自分達の勝利だ。

そんなレフティは粉々に砕けた長剣を手放し、力が抜けたように立ち尽くす。
しかし、彼女の顔から笑顔が絶えることはなかった。

「すごいねっ・・・本当にすごかったよっ・・・私の、『負け』だねっ」

次第に、レフティの身体がガラスのようなヒビが入り始める。
キリトとアスナは彼女の胸に剣を突き刺したまま話を聞き続けた。

「私に勝ったご褒美としてねっ、キリトくんとお姉さんに一個だけ教えてあげるっ!・・・キリトくんを殺してってお願いした人っ・・・意外と近くにいるよっ・・」

「なん・・・だと?」
「私達の、近く?」

「気を付けてねっ・・・・その人は、私なんかより、もっと強いからっ。でも・・・キリトくんとお姉さんならっ・・・もしかしたら、勝っちゃうかもねっ!」

レフティの身体は足元から次第に結晶化していく。
そろそろ、別れの時間のようだ。

「最後に戦えたのがキリトくん達でよかったなっ!・・・もう死んじゃうみたいっ・・・ふふっ!・・・ありがとう・・・っ!さようなら・・・・」


レフティは何故か「ありがとう」と言い残し、そのまま消えていった―――。

それと同時に無理に無理を重ねたキリトとアスナの身体に今までの反動が一気に押し寄せ、二人はその体制のまま、両膝を着く。
アスナは左手がないままキリトの背中に頭を埋め残った右手で抱きしめる。

「・・・ここにいる・・・本当に・・・いるんだね・・・良かった・・・」
「偶然に偶然が重なっただけだ・・・本当だったら・・・俺は・・・もう・・・」
「言わないでっ・・・お願い・・・」
「ごめん・・・だから、改めて・・・」

背中から伸ばされたアスナの右手をキリトはそっと自分の両手で掴む。

「俺の命は君のものだ。アスナ―――だから、君のために使う。最後の瞬間まで一緒にいる」

その言葉にアスナは震える吐息を漏らし、ささやきを返した。

「―――私も。わたしも絶対に君を守る。これから永遠に守り続けるから。だから・・・」

少しずつ取り戻してきた自分の体を動かし、キリトとアスナは対面になる。

お互い、ボロボロの身体を自然と引き寄せようとする。
お互いを、求めている―――。
自然と、キリトは彼女の唇を見つめていた。



まて、自分は何をしようとしている・・・?
それは駄目だ。

自制心を忘れるな。



そんなことより、忘れていたことがある。


「・・・・・あっ・・・」
「何?キリトくん」
「いやっその・・・桂さんが・・・あれ?」




「ん゛〜・・・すぅ〜・・・・」

やや遠くで桂は疲れ果てていたのか特徴的ないびきをかきながら寝ていた。
それを見てキリトは少々笑ってしまう。

「いっつも忘れちゃうんだよな、あの人の存在にさ」

「・・・。」

「アスナ、部位欠損の回復まであとどのぐらいかかりそうだ?とにかく回復次第、安全な場所まで―――・・・・っ!」



彼女が切断された左腕も伸ばしてキリトの身体を抱き寄せた。
そのまま、彼女の桜色の美しい唇が自分の唇を塞ぐ。



「―――っ!!!!」



キリトは全身硬くするも、自然と受け入れた。

逆の立場だったら、どうなっていただろうか?


いや、―――きっと変わらないだろう。




「アスナ・・・・」
「キリト・・・君・・・・・っ」

一度は離れた唇と唇が、再びお互いを求めたためか、もう一度繋がった。




サチ・・・


俺は、彼女を守るよ。




君にできなかったことを、今度はやり遂げる。




彼女は、大切な人だから・・・・。







「ん゛〜・・・すぅ〜・・・・ふぅ・・・」
いびきを唸らせながら、良かったなと言わんばかりにほんの少しだけ微笑む。
以前、友人より空気を読めと言われていたので、桂は忠告どおりに余計なことをしないよう狸寝入りをした。

さて、このあとは一体どのタイミングで起きれば良いものだろうか?