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銀魂 −アインクラッド篇−

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・・・

『ソードアート・オンライン』
・第五十五層 グランザム フィールド 迷宮区入口前

「ほっ!よっと!もう諦めたらっ?全然痛くもかゆくもないよっ!」
「黙れェェェェッ!!貴様だけは許さんぞっ!!キリト軍曹の仇ィィィィッ!!」

桂は必至にレフティへと喰らいつく。
今の状態で彼女に一矢報いる事が出来ない事は理解していた。
ただ、桂の執念のみがその身体を動かしていた。
己の傷が増えていく。
HPもすでに危険域に突入している。
それでも許さない。
このまま生かしておくわけにはいかない!

「あっ・・・アスナ司令官殿ォォォォッ!!心を強く持てェッ!!拳を握れェッ!!現実から目を背けるなァァァァァッ!!」

桂はレフティに応戦しつつアスナへと声を掛け続ける。
アスナは泣き崩れ、周りの音が全く聴こえていない。
今の彼女にとっては、目の前の光景などどうでも良いことなのだから。


それは桂も理解している。
悲しい気持ちにも理解している。

目の前で、同志が命尽きて行く光景を何度も何度も目にしてきた―――ッ!
だからこそ、心を強く持ってほしかった。

残された側は、ただ、歩み続けるしかないのだからっ!!

「もう帰りたいからさっ!そろそろおしまいねっ!楽しかったよっ!」

レフティの刀身が赤く光る!
桂は残された右足に力を込め右へとジャンプする。

「無駄だよっ!」

しかし無慈悲にもその行動に意味は無く、今度は刀を握っていた左手が切断されてしまい力尽きたのかその場に倒れてしまった。

「ぐうぅ・・・ここまでなのか・・・ッ」

「ここまで動ける人ってなかなかいないんだけどっ、化物じみた体力だねっ!関心関心っ!」
「ふっ・・・・どちらが『化物』だ・・・貴様、人間ではなかろう・・・」
「うんっ!あなたの言う通り私達は『人間』ではないよっ!それじゃあ、またどこかで会おうねっ!」
「なっ・・・」

レフティは刀を背中に納め、用事が終わったと言わんばかりにステップをしながら帰ろうとする。

――――だがその歩みを再び、一筋の白い『閃光』によって止められた。

「っ!あ、危なっ・・・・もうお姉さん?いきなり攻撃してくるのはずるだよっ?」
「ふぅ〜・・・・ふぅ〜・・・・」

アスナはかたき討ちと言わんばかりにレフティへ一点集中突きを放つ。
だが彼女にはそれが『見えていた』ものなので右手で折れたレイピアを掴んでいた。

「そんな泣きながら攻撃されたら私もやりずらいんだよっ!泣かないでっ!ねっ?」
「あなただけは許さない・・・・倒す・・・今日、ここでっ!」
「もうっ仕方がないなぁ〜・・・最後だよ?」


レフティは右手を離し、後方にステップしながら再び抜刀。
アスナは息を切らしながら両手で折れたレイピアを構え直す。

「そんな折れた剣じゃ満足にスキルも発動できないよっ!やめときなってっ!」
「うるさいっ・・・・うるさいっ!」

アスナは折れた刀身に光を纏わせる。
剣を後方に下げて再び突きを入れようとした瞬間――――!

「ほら〜、だからやめときなっていったんだよっ!遅い遅いっ!」
「っ!!」

肘から先の左腕が無くなった。
気が付けばすぐ隣に彼女の顔があった。

だが・・・これで良い!

「えっ・・・ちょっと!」
「つかまえ・・・た・・・っ!」

すぐさま、彼女の身体を拘束!
残った右手からレイピアを離し、絶対に離さないように抱き抱える!

「桂さんっ!お願いっ!」
「えっ・・・!?」
「ウ゛オ゛ォォォォォオオオッ!!」
すると、レフティの前には両腕を失った桂が口に刀を咥えて自分の腹部に突き刺そうとする!しかし、それでは拘束をする彼女にも貫通してしまう!

まさか・・・・相打ち!?

「ん゛―――っ!!」
「あ゛―――っ!!」

「グフッ・・・すまない、司令官殿・・・これ以上、身体を動かすことができぬ・・・」

二人の身体に桂の刀が貫通し、桂は意識はあるものの力果てて二人の前で倒れてしまう。
HPがどんどんと減り始める。
だが、HPの量は雲泥の差。
このままだと明らかに少ない方が先に死んでしまう。

「はっ・・・すごいなっ。お姉さんたちの執念ってすごいよっ・・・他人の為にここまでするなんてっ・・・・」
「他人じゃないっ!!キリト君は私の大切な人だった!!」
「でもっ、命を懸けてまでここまでするのっ?」
「するわっ!だって私はキリト君の事が――――――」




―――キリト・・・君っ?




だめ。


また、涙が溢れそうになる。


いくら思い出しても、彼はもう、帰ってこないのに――――っ!




もう、この『気持ち』を――――伝えられないのにっ!!






「ごめんねっお姉さん?もう本当にやめようっ!」
「あっ!」
その時、一瞬だけアスナは拘束する力を緩めてしまったため、あっけなく彼女を離してしまった。
アスナは力を使い果たしたかのように倒れ込み、桂もこれ以上は動けなかった。

レフティは危険域へと達したHPを回復するべく結晶を取り出し、自身に使用する。
ようやく奪ったHPもじわりじわりと回復し始めた。
神様は、最期の抵抗すら――――許してくれないのだろうか?




(そんな―――――キリト君・・・っ!)




「はぁ、危なかったぁ〜・・・HPもまだ万全じゃないけどっもう帰――――」



レフティはふと、背中に衝撃を受けた事に気が付く。

黒い閃光が彼女の背中を斬り刻んだのだ。



「え・・・・うそ・・・なん・・・で?」


アスナはその姿を見て堪えていた涙を溢れだした。





「やめろ・・・それ以上アスナに・・・手をだすな・・・・・」



「ま、まさか・・・・」



桂は衝撃を受けた・・・・なぜなら・・・






「ちょっ!ちょちょちょちょちょっと待ってっ!なんでっ!?なんで生きているのっ!!?」


「『黄泉帰り』のS級食材を以前食べたことがあってだな!!たった5%の確率だが一度だけ『復活』することができるんだよッ!!狩るのには相当苦労をしたんだぜッ!!?でも美味しかったッ!!君が作ってくれたからッ!!!!」

完全に油断をしていたレフティに無数に襲い掛かる斬撃の嵐。
それは、彼だけに許された二刀流による舞い。

「また食べたいと思ったッ!!一緒に、傍にいてほしいと思ったッ!!」

「うんっ・・・・キリト・・・くん・・・・っ!」

両手の剣が光り輝く。
止まらない斬撃の嵐に彼女の剣が追い付かない。

「斬鉄斬っ・・・まにあわないっ!」

「いつの間にか大切な存在になっていたッ!!君を守りたいと心から思うになったッ!!」


「うんっ・・・・うんっ・・・っ!!」


これが本当の最後の力ッ!!


集中――――ッ!
止まるなッ!もうこれ以上は後がないッ!!
叩きつけろッ!自分の限界を超えろっ!!

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッッッ!!!!!!」

「軍曹っ!もしやスタバかッ!!?そのスキルによる連撃では全て止められるぞっ!!」

レフティは待っていたと言わんばかりに刀身を赤くする。